
APIセキュリティ対策には、認証・認可、通信の暗号化、脆弱性診断、WAF/WAAPによる入口防御を組み合わせた多層的な対策が必要です。APIは外部システムやアプリとデータをやり取りする「入口」であり、攻撃者に狙われやすい領域です。
その点、ペンタセキュリティのCloudbric WAF+であれば、DDoS攻撃遮断、API保護、ボット対策、悪性IP遮断により、APIを含むWebサービス全体の防御を強化できます。
本記事では、APIセキュリティの基礎、主なリスク、対策を解説します。
APIセキュリティとは
APIセキュリティとは、APIを経由した不正アクセス、情報漏えい、サービス停止、データ改ざんなどを防ぐための対策です。APIは便利な連携口である一方、認証や権限管理が不十分だと攻撃者の侵入口になります。安全なAPI運用には、設計段階からの対策と運用中の監視が欠かせません。
APIとは
APIとは、異なるソフトウェアやサービスをつなぎ、機能やデータをやり取りするための仕組みです。たとえば、地図情報の表示やECサイトの決済、SNSアカウントを使ったログインなどに利用されています。
人間社会に例えると、必要な情報や機能を受け渡す「受付窓口」のような役割を担います。一方で、利用者の本人確認やアクセス権限の設定が不十分な場合、第三者に情報を取得されるおそれがあるため、適切なセキュリティ対策が必要です。
APIセキュリティとは
APIセキュリティは、APIの「誰が、何に、どこまでアクセスできるか」を制御する考え方です。具体的には、認証、認可、通信の暗号化、レート制限、ログ監視、WAFによる攻撃遮断などを組み合わせます。APIはWeb画面の裏側で動きますが、攻撃者は直接APIを狙えます。
そのため、API単位の保護が必要です。Cloudbric WAF+は、API保護やDDoS攻撃遮断などを備えたクラウド型WAFサービスです。
Cloudbric WAF+については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
Cloudbric WAF+とは?WAAP対応の6つの機能と選ばれる理由を解説
APIセキュリティが重要な理由
APIセキュリティが重要な理由は、APIが企業システムの接続点として急速に増えているためです。ここではその理由について細かく解説します。
① APIの普及で攻撃対象領域が拡大している
APIが増えると、攻撃者が狙える範囲も広がります。特に注意したいのが、開発中に作られたまま放置されたAPI、古いバージョンのAPI、管理台帳に載っていない「シャドーAPI」です。これらは認証設定やアクセス制御が古いまま残りやすく、攻撃の入口になります。
OWASP API Security Top 10 2023でも、APIは従来のWebアプリより多くのエンドポイントを公開しやすいため、適切な棚卸しと文書管理が重要だと示されています。
② API攻撃による被害と代表的な事例
API攻撃が成功すると、個人情報や顧客データの漏えい、不正ログイン、サービス停止、クラウドコストの増加などが発生します。海外では、T-Mobileが2023年にAPI経由で約3,700万人分の顧客情報に影響する侵害を公表しました。
国内でも、パーソルキャリアの「doda」において、求人広告の販売代理店向けシステムの不備により、採用担当者情報などが閲覧可能となった事例が公表されています。APIやシステム連携の不備は、企業の信用低下に直結する問題です。
サイバー攻撃を受けた企業については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
サイバー攻撃を受けた企業の事例11選【2024~2025年版】
APIに対する主なセキュリティリスク
APIセキュリティでは、OWASP API Security Top 10 2023を参考に、自社のリスクを整理することが有効です。ここではその代表的なリスクについて紹介します。
① 認証・認可の不備(BOLA・BFLA)
APIで特に重要なのが、認証と認可です。認証は「本人確認」、認可は「権限確認」です。BOLAは、URLやリクエスト内のIDを変更するだけで他人のデータにアクセスできてしまう不備です。BFLAは、本来使えない管理者機能などを一般利用者が実行できてしまう不備を指します。これらは正規のリクエストに見えるため、WAFだけでは防ぎにくく、サーバー側で都度権限を確認する設計が必要です。
② 過剰なデータ露出・情報漏えい
APIが必要以上の情報を返す設計も危険です。たとえば、画面には氏名だけを表示していても、APIレスポンスに住所や権限情報が含まれていれば、攻撃者に取得される可能性があります。レスポンスの中身を最小限にすることが重要です。Cloudbric WAF+による入口防御とあわせて、API側では「必要な項目だけ返す」設計を徹底します。
③ リソースの過剰消費(DoS・DDoS攻撃)
レート制限のないAPIは、大量のリクエストにより、サーバー負荷の増加、サービス停止、クラウド利用料の増大を招きます。APIリクエストはサーバー資源を消費するため、攻撃を受けると運用コストにも影響します。Cloudbric WAF+は、L3/L4およびL7のDDoS攻撃遮断に対応しており、APIを含むサービス停止リスクの低減に役立ちます。
DDos攻撃への対策については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
④ インジェクション攻撃・設定不備
SQLインジェクションやコマンドインジェクションは、APIに不正な入力を送り込み、データベース操作やサーバー上の命令実行を狙う攻撃です。また、詳細すぎるエラーメッセージや古いAPIの放置もリスクです。これらは既知の攻撃パターンとして検知しやすいため、WAF/WAAPの導入が有効です。
Cloudbric WAF+はWeb攻撃遮断に加え、API保護や悪性IP遮断を組み合わせて防御できます。
SQLインジェクションについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
SQLインジェクションとは? 攻撃の仕組みや被害例、対策方法を解説
APIセキュリティの対策・ベストプラクティス
APIセキュリティ対策は、1つの製品だけで完結しません。認証・認可、暗号化、脆弱性診断、WAF/WAAPを組み合わせる多層防御が基本です。ここでは推奨されるベストプラクティスについて4つ紹介します。
① 認証・認可とアクセス制御を徹底する
まずは、APIにアクセスする利用者やシステムを正しく識別し、必要な権限だけを与えることが重要です。主な対策は以下のとおりです。
- OAuth 2.0やOpenID Connectなど標準的な認証方式を採用する
- APIキーやトークンに有効期限を設定する
- 最小権限の原則に基づき、必要な操作だけを許可する
- サーバー側で毎回、対象データへのアクセス権限を確認する
- 管理者向けAPIと一般利用者向けAPIを明確に分離する
特にBOLAやBFLAは、仕様や業務ロジックに関わるため、設計段階からの確認が欠かせません。
② 通信の暗号化とレスポンスの最小化
API通信では、HTTPS、つまりTLSによる暗号化を必須にするべきです。通信が暗号化されていないと、ネットワーク上でAPIキーやトークン、個人情報を盗聴される恐れがあります。また、APIのレスポンスは必要最小限に抑え、画面表示に使わない情報を返さない設計が重要です。
エラーメッセージにも注意が必要で、内部のテーブル名、サーバー情報、スタックトレースなどを出すと、攻撃者にヒントを与えてしまいます。
③ 脆弱性診断で潜在リスクを可視化する
API固有のリスクは、通常の画面操作だけでは見つけにくい場合があります。特にBOLAのような認可不備は、リクエスト内のIDやパラメータを変更し、権限外の情報にアクセスできるかを確認しなければ発見できません。
そのため、公開前や大きな仕様変更時には、APIに対応した脆弱性診断を行うことが有効です。WAFは入口で攻撃を遮断する対策ですが、設計上の不備をなくすには、診断による可視化と改修が必要です。
Cloudbric脆弱性診断については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
Cloudbric 脆弱性診断とは?6つの診断メニューと選ばれる理由を解説
④ WAF・WAAPを導入して多層防御を実現する
APIの入口対策として有効なのが、WAFやWAAPの導入です。WAFはWebアプリケーションへの不正な通信を検知・遮断する仕組みで、SQLインジェクション、XSS、既知の攻撃パターンへの対策に役立ちます。WAAPは、WAFに加えてAPI保護、DDoS対策、ボット対策などを含む考え方です。
Cloudbric WAF+は、WAF、DDoS攻撃遮断、API保護、ボット対策、悪性IP遮断を備えたクラウド型サービスです。また、導入時・運用時にセキュリティエキスパートによるマネージドセキュリティサービスを提供し、ダッシュボードや自動レポートによる可視化にも対応しています。
さらにAWS環境では、Cloudbric WMSによりAWS WAFのルール作成、ログ分析、新規脆弱性対応、24時間365日のサポートを受けられます。Cloudbric WMSは、OWASP Top 10対応のセキュリティポリシーやMalicious IP Reputationも提供しており、AWS WAFの運用負荷を抑えたい企業に適しています。
WAAPについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
WAAPとは?次世代Web防御の仕組みとWAFからの進化を徹底解説
APIセキュリティに関するよくある質問
Q:WAFを導入すればAPIは完全に守れますか?
A:WAFはインジェクション、DDoS、悪性ボット、不審なアクセスの遮断に有効ですが、BOLAのような認可不備を完全に防ぐものではありません。認証・認可設計、脆弱性診断、Cloudbric WAF+による入口防御を組み合わせることが重要です。
Q:OWASP API Security Top 10とは何ですか?
A:OWASP API Security Top 10は、APIに特化した重大なセキュリティリスクを整理した一覧です。2023年版では、BOLA、認証不備、リソースの無制限消費、設定不備、API管理不備などが挙げられています。
Q:APIキーやトークンを安全に管理するには?
A:APIキーやトークンは、ソースコードに直接書かず、環境変数や秘密情報管理サービスで保管します。また、有効期限の設定、定期的なローテーション、不要キーの削除、利用状況の監視を行うことが重要です。
まとめ
APIセキュリティ対策では、認証・認可、通信の暗号化、レスポンスの最小化、脆弱性診断、WAF/WAAPによる入口防御を組み合わせる必要があります。APIは便利な連携口である一方、攻撃者にとっても狙いやすい入口です。特にBOLAやBFLAのような認可不備、過剰なデータ露出、リソースの過剰消費、インジェクション攻撃には注意が必要です。
その点、Cloudbric WAF+は、WAFに加えてDDoS攻撃遮断、API保護、ボット対策、悪性IP遮断を備えており、APIを含むWebサービス全体の入口防御を強化できます。AWS環境であれば、Cloudbric WMSによってAWS WAFの導入・運用負荷を抑えながら、高度な攻撃検知やログ分析、専門家によるサポートを活用できます。APIを安全に活用するには、開発時の設計対策と、Cloudbricによる運用中の防御を両立させることが重要です。