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スクレイピング対策とは?IPブロック・CAPTCHA・WAFなど有効な手法を紹介

近年、悪意あるボットによるスクレイピング攻撃が増加傾向にあります。競合他社による価格情報の不正取得、大量のID・パスワードを使った不正ログイン(クレデンシャルスタッフィング)、AI学習データを目的とした無差別なデータ収集など、その被害は多岐にわたります。

本記事では、スクレイピングの仕組みや主な手口、実際の被害事例を整理したうえで、robots.txtからレートリミット・CAPTCHA・WAF導入まで、有効な対策を網羅的に解説します。

 

スクレイピングとは

スクレイピングとは、プログラムが自動でWebサイトにアクセスし、データを収集する技術です。正当な用途でも広く使われている一方、悪用されるケースも増えており、自社サイトへの脅威として注目されています。ここではスクレイピングについて紹介します。

 

スクレイピングの仕組み

スクレイピングとは、プログラムが自動でWebサイトにHTTPリクエストを送信し、返ってきたHTMLを解析してデータを抽出する技術です。通常のブラウザアクセスと同じ仕組みを利用するため、見た目上は「普通のアクセス」と区別がつきにくい点が特徴です。

混同されやすい「クローリング」はサイトを巡回してページを特定する行為であり、スクレイピングはそこからデータを抽出する行為を指します。実際の攻撃では、この2つを組み合わせた手法が一般的です。

 

スクレイピングが使われる用途

スクレイピングには正当な用途と悪用される用途の両面があります。正当な用途としては、価格比較サイトによる商品情報の自動収集、研究目的でのデータ収集、SEOツールによる自社サイト情報の定期取得などが挙げられます。

一方で悪用されるケースも少なくありません。競合他社の価格情報の不正取得、大量のメールアドレス・個人情報の収集、AIモデルへの無断データ提供などが問題となっています。同じ技術が合法・違法の両面で使われうる点が、対策を複雑にしています。

 

スクレイピングの違法性

スクレイピング自体は、法律で一律に禁止されているわけではありません。ただし、以下のような場合には法律に抵触するリスクがあります。

  • 不正アクセス禁止法:認証を回避してアクセスした場合
  • 著作権法:コンテンツをそのまま無断複製・公開した場合
  • 不正競争防止法:営業秘密にあたる情報を取得した場合
  • その他利用規約違反:AmazonやXなど、スクレイピングを明示的に禁止しているサービスへのアクセス

違法かどうかはアクセスの方法や目的、取得した情報の扱いによって判断が異なります。「スクレイピングだから問題ない」と一概に判断できない点には注意が必要です。

 

スクレイピングの主な手口

Webスクレイピングの手口は年々高度化しており、単純なボットから人間の操作を模倣した高度なツールまで、さまざまな方法が用いられています。ここでは、代表的な4つの手口を紹介します。

 

単純なHTTPリクエストによる手口

最も基本的な手口が、PythonのRequestsライブラリやBeautifulSoupを使って静的なHTMLを直接取得する方法です。JavaScriptを使わないシンプルなサイトや、APIエンドポイントが外部に露出しているサイトが標的になりやすい傾向があります。

短時間に大量のリクエストを送ることでサーバーに過負荷をかけ、サービス障害を引き起こすケースもあります。

 

ブラウザ自動化ツールを悪用した手口

SeleniumやPlaywright、Puppeteerといったブラウザ自動化ツールを使い、実際のブラウザ操作を模倣する手口です。

JavaScriptが必要なSPAやログイン後のページにもアクセスでき、通常のブラウザと見分けがつきにくい点が特徴です。単純なUAフィルタでの検知が難しく、CAPTCHAの突破にも悪用されるケースがみられます。

 

プロキシ・IPローテーションを使った手口

攻撃者が数百〜数千のIPアドレスを使い回すことで、IPブロックをすり抜ける手口です。一般家庭のIPアドレス(レジデンシャルプロキシ)を経由することで検知がさらに難しくなります。

クラウドサービスや海外のVPSを経由するケースも多く、地理的なアクセス制限も回避されやすい点が課題となっています。

 

偽CAPTCHAを悪用した手口

本物のCAPTCHAに見せかけた偽の認証画面をユーザーに表示し、マルウェアのインストールや認証情報の入力へ誘導する手口です。

スクレイピングの前段階として正規ユーザーのアカウント情報を不正取得するフィッシング的な使われ方が問題となっており、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2025」でも注意が呼びかけられています。

 

スクレイピングによる被害事例

スクレイピングや悪意あるボットによる被害は、情報窃取からサービス障害まで幅広い範囲に及んでいます。ここでは、実際に発生している代表的な3つの被害事例を紹介します。

 

事例① クレデンシャルスタッフィング攻撃(リスト型攻撃)

クレデンシャルスタッフィングとは、スクレイピング等で収集した大量のID・パスワードをボットで自動入力し、不正ログインを試みる手口です。国内でも通販・ECサイトへのなりすまし注文や不正購入の被害が相次いでおり、警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」でもリスト型攻撃が深刻な問題として取り上げられています。正規の認証情報を使うため通常のログインとの区別がつきにくく、被害に気づきにくい点が厄介です。

 

事例② ECサイトへの不正アクセス・カード情報窃取

ボットによる自動探索でECサイトの脆弱なエンドポイントを発見し、ペイメントアプリケーションを改ざんしてカード情報を窃取するWebスキミングも確認されています。経済産業省の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」でも深刻な脅威として取り上げられています。

改ざんに気づかないまま長期間放置されるケースもあり、発覚時には数万件規模の個人情報・カード情報が流出していたという事例も報告されています。

 

事例③ AIボットによる大規模スクレイピングとサービス障害

AI学習データの需要急増を背景に、大規模ボットによるスクレイピングがWebサービスのサーバー負荷を急増させ、サービス障害を引き起こすケースが増加傾向にあります。X(旧Twitter)が2023年に受けたAIボットによる大量スクレイピングはその代表例として知られています。

IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、AIを悪用した攻撃の高度化・自動化がスクレイピング被害拡大の背景として指摘されています。

 

スクレイピングに有効な対策とは

スクレイピング攻撃への対策は、単一の手法だけでは効果が限定的です。複数の対策を組み合わせることで、ボットの検知精度と防御の強度を高めることができます。ここでは、代表的な6つの対策を紹介します。

 

robots.txtの設定

robots.txtとは、Webサイトのルートディレクトリに設置するテキストファイルで、クローラーに対してアクセスの可否を伝える仕組みです。

Googleなどの正規クローラーはrobots.txtを尊重しますが、悪意あるボットは無視するケースが多く、これだけで攻撃を防ぐことはできません。あくまでアクセス制御の入口として位置づけ、他の対策と組み合わせることが重要です。

 

レートリミット

レートリミットとは、特定のIPアドレスや接続元から一定時間内に送信できるリクエスト数に上限を設ける対策です。異常に高頻度なアクセスをボットとして検知・制限できます。

初歩的なスクレイパーには有効ですが、プロキシIPローテーションを使うボットには回避される場合もあるため、IPブロックやUA検証と組み合わせた運用が推奨されます。

 

IPアドレスのブロック

アクセスログを分析し、短時間に大量リクエストを送信しているIPや既知の悪性IPをブロックする方法です。データセンターやVPSのIPレンジ単位でのブロックも有効です。

ただし、レジデンシャルプロキシを使われると検知が難しくなるため、IPブロック単独には限界があります。定期的なブロックリストの更新と、他の検知手法との組み合わせが求められます。

 

ユーザーエージェント(UA)の検証

HTTPリクエストに含まれるUA情報を検証し、スクレイピングライブラリの特徴的な文字列(例:Python-requests)などをフィルタリングする方法です。低度な攻撃には一定の効果がありますが、SeleniumなどによるUA偽装には突破されやすい点が課題です。

UA検証単独での判定は危険なため、行動分析など他の指標と組み合わせた多層的な判定が必要です。

 

CAPTCHAの導入と偽CAPTCHAへの注意

CAPTCHA(reCAPTCHAなど)は、人間であることを確認するチャレンジを課すことで、ボットによる自動アクセスを抑制する仕組みです。

一方で、偽CAPTCHAを使ってマルウェア感染や認証情報の詐取を狙う攻撃も増えており、IPAも注意を呼びかけています。正規のCAPTCHAサービスの使用と、ユーザーへの周知を組み合わせることが重要です。

 

WAF(Web Application Firewall)の導入

WAFは、Webアプリケーションへの通信をリアルタイムで監視・解析し、ボットや不正なリクエストを自動的に検知・遮断するセキュリティ対策です。IPブロック・UA検証・レートリミット・シグネチャマッチングなどを統合的に実行できる点が特徴で、スクレイピング対策の中核として機能します。

特にクラウド型WAFは最新の攻撃パターンへの対応が自動更新され、専門知識がなくても導入・運用しやすい傾向にあります。

以下の記事ではWAFの4製品を比較しています。あわせてお読みください。

【2025年版】WAFのおすすめ4製品を比較!機能や価格をわかりやすく紹介

 

まとめ

スクレイピング攻撃は、クレデンシャルスタッフィングやWebスキミング、AIボットによるサービス障害など多様な被害につながります。robots.txtやIPブロック・UA検証といった個別手法は有効ですが、単独では限界もあります。これらを組み合わせた多層防御の中核となるのが、WAFの導入です。

Cloudbric WAF+」は、WAF・ボット対策・DDoS防御・API保護を統合したクラウド型WAFです。AIによる自動検知で未知の攻撃にも対応し、専門知識がなくても導入・運用が容易です。

スクレイピング対策の強化をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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Cloudbric WAF+とは?WAAP対応の6つの機能と選ばれる理由を解説

近年、企業のWebサービスを狙うサイバー攻撃は多様化しています。APIを悪用した不正アクセスやボットによる自動化攻撃、大規模なDDoS攻撃など、従来のWAF単体では防ぎきれない脅威が増えているのが実情です。

こうした背景から生まれたのが「WAAP(Web Application and API Protection)」という次世代の防御概念です。Cloudbric WAF+は、WAAPを実現するクラウド型セキュリティサービスとして6つのコアセキュリティを統合しています。本記事では、機能の詳細・選ばれる理由・料金・導入方法までをわかりやすく解説します。

 

Cloudbric WAF+とは

クラウド型WAFサービス Cloudbric WAF+

Cloudbric WAF+は、ペンタセキュリティ株式会社が提供するクラウド型WAFサービスです。WAFの基本機能に加え、DDoS攻撃遮断・API保護・ボット対策・Malicious IP遮断・SSL証明書の自動発行という6つのコアセキュリティをひとつのサービスに統合しており、「WAAPを超えたクラウドサービス」として位置づけられています。

社内にセキュリティ専門家がいない企業でも導入・運用しやすい設計が大きな特長です。中小企業から大企業まで、業種を問わず幅広い企業での導入実績を持ちます。

 

従来のWAFが抱える課題

従来のWAFは、SQLインジェクションやXSSなど既知の攻撃を検知・遮断する点では有効ですが、攻撃の多様化にともない、いくつかの限界が顕在化しています。

  • API通信を悪用した不正アクセスや情報漏えいへの対応が難しい
  • ボットによる大量アクセスや自動化攻撃を防ぎきれないケースがある
  • 複数のセキュリティツールを個別導入すると、管理コストと運用負荷が積み重なる
  • シグネチャー更新や誤検知対応には専門知識が必要で、担当者不在の企業では適切な運用が難しい

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」でもWebアプリ層を狙う攻撃が上位を占め、脅威の深刻さが裏付けられています。

 

WAAPとは

WAAP(Web Application and API Protection)は、米ガートナー社が提唱した次世代Webセキュリティの概念です。WAFの機能を発展させ、API保護・ボット対策・DDoS防御を統合した包括的な防御基盤を指します。

WAAPが登場した背景には、Webを取り巻く脅威の変化があります。クラウドサービスやスマートフォンアプリの普及によりAPI通信が急増し、悪性ボットによる自動化攻撃やDDoS攻撃も高度化が進んでいます。こうした多様な攻撃に対し、Webアプリへの不正リクエスト遮断に特化した従来のWAFだけでは対応しきれないケースが増えました。

WAAPはこの課題を解決するため、WebアプリとAPIを一体で守る統合防御として設計されており、Webセキュリティの新たな標準として急速に普及しています。

Cloudbric WAF+はWAAPが定義するWAF・API保護・ボット対策・DDoS防御の4機能を中核としつつ、Malicious IP遮断とSSL証明書の自動発行・管理という独自機能を加えた6つのコアセキュリティを搭載しています。

WAAPについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

WAAPとは?次世代Web防御の仕組みとWAFからの進化を徹底解説

 

Cloudbric WAF+の6つの機能

Cloudbric WAF+は、WAF・DDoS攻撃遮断・API保護・ボット対策・Malicious IP遮断・SSL証明書の自動発行という多層的な防御機能により、多様化するサイバー攻撃から企業のWebビジネスを包括的に保護します。ここでは機能の詳細について紹介します。

 

機能① WAF(Webアプリケーションファイアウォール)

WAAPの中核を担うのがWAF機能です。Cloudbric WAF+では、シグネチャー型とは異なる独自の論理演算検知エンジンとAIエンジンを組み合わせ、攻撃を高精度に検知・遮断します。

SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、コマンドインジェクションなど、代表的なWeb攻撃に幅広く対応しています。また、通信内容をリアルタイムで分析し、攻撃の傾向をログで可視化することも可能です。

この検知エンジンは日本を含む5カ国で特許を取得しており、技術力の高さを客観的な形で裏付けています。

以下の記事では4つのWAF製品を比較しています。あわせてお読みください。

【2025年版】WAFのおすすめ4製品を比較!機能や価格をわかりやすく紹介

 

機能② DDoS攻撃遮断

DDoS(分散型サービス拒否)攻撃は、大量のリクエストを送りつけてサーバーを過負荷状態にし、Webサービスを停止させる手法です。近年はアプリケーション層を狙った高度な攻撃も増加しています。

Cloudbric WAF+では、ネットワーク・トランスポート層(L3/L4)とアプリケーション層(L7)へのDDoS攻撃をスマートトラフィックフィルターで遮断します。クラウドのスクラビング機能で攻撃トラフィックを除去し、正規のアクセスのみを通過させる仕組みにより、大規模な攻撃を受けてもサービスの継続性を確保できます。

DDoS攻撃の対策については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

DDoS攻撃への対策とは?攻撃手法や実際の被害事例も紹介

 

機能③ API保護

API通信はビジネスに不可欠なインフラとなっている一方、攻撃対象としても急速に狙われやすくなっています。

Cloudbric WAF+はランタイムプロテクション方式でAPI通信の脅威をリアルタイムに検知・遮断します。不正トークンの利用や認証回避、想定外のAPIアクセスといった異常な挙動を自動的にブロックし、安全なデータ連携と安定したサービス運用を支えます。

 

機能④ ボット対策

悪性ボットによる認証突破・アカウント乗っ取り・商品の自動購入といった不正行為が増加する一方、検索エンジンのクローラーのような良性ボットは業務上必要なものもあります。

Cloudbric WAF+では、ユーザーエージェントやアクセス頻度・行動パターンを分析して悪性ボットと良性ボットを正確に識別し、制御・管理します。カスタムボットの設定も可能で、正規ユーザーの利便性を損なうことなくサービス品質とセキュリティを両立します。

 

機能⑤ Malicious IP遮断

攻撃者は特定のIPアドレスから繰り返し不正アクセスを試みることが多く、既知の脅威IPをあらかじめ遮断することは効果的な予防策のひとつです。

Cloudbric WAF+は、171カ国・約70万サイトから収集した脅威情報をもとに、危険度スコアリングの高い脅威IPを自動的に遮断します。スコアは毎朝更新されるため、常に最新の脅威インテリジェンスが適用された状態を維持できます。Cloudbric Labsの脅威分析力を活かした予防的な防御アプローチにより、攻撃が到達する前の段階でリスクを低減します。

 

機能⑥ SSL証明書の自動発行・管理

WebサイトのHTTPS化はセキュリティの基本ですが、SSL証明書の取得・更新・管理を手動で行うと、担当者の負担になりやすく、更新忘れによるサイト停止リスクも生じます。

Cloudbric WAF+では、Let’s Encryptのドメイン認証SSL証明書を無料で自動発行・管理します。手動での証明書更新作業が不要になり、更新忘れによるセキュリティリスクを排除できます。導入の手間を省けるだけでなく、外部サービスへの証明書費用も削減できるため、運用コストの低減にも直結します。

SSLについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

SSLとは?Webサイトのセキュリティを強化できる仕組みと設定方法

 

Cloudbric WAF+が選ばれる理由

多くのWAFサービスが存在するなかで、Cloudbric WAF+が選ばれる背景には、技術・運用・サポート・信頼性の4つの観点における明確な差別化ポイントがあります。ここでは、それぞれの強みを詳しく解説します。

 

理由①特許技術による高精度な攻撃検知

Cloudbric WAF+の中核を支えるのが、日本を含む5カ国で特許を取得した独自の論理演算検知エンジンです。構文解析・比較解析を組み合わせることで、シグネチャー型では難しいゼロデイ攻撃や未知の脅威にも対応します。

その性能は第三者機関によっても客観的に証明されており、国際的な試験評価機関であるスイスのwizlynx groupが実施したWAF侵入テスト(2020年)でも高い優位性が確認されています。

 

理由②マネージドサービスで運用負荷を低減

Cloudbric WAF+には、セキュリティエキスパートによる24時間365日のマネージドサービスが標準で付帯します。セキュリティポリシーの作成・適用、最新脆弱性への対応、異常トラフィックの検出・遮断、誤検知対応まで専門家が代行します。社内に専任担当者がいない企業でも高いセキュリティレベルを継続的に維持できる体制です。

 

理由③DNS切り替えだけで導入完了・直感的なUI

セキュリティ製品の導入にあたって、複雑な設定作業や長い導入期間がネックになるケースは少なくありません。Cloudbric WAF+はエージェントやモジュールのインストールが不要で、DNSの切り替えだけで導入が完了します。

導入後は直感的なUIから脅威の検知・遮断状況をリアルタイムにモニタリングでき、専門知識がなくても運用しやすい設計になっています。また、過去3カ月分の月次レポートが自動作成されるため、定期的なセキュリティ報告の工数も大幅に削減できます。手軽に始められながら、高度なセキュリティを維持できる点が大きな強みです。

 

理由④国際基準・第三者評価による信頼性

Cloudbric WAF+はクレジットカードの国際セキュリティ基準であるPCI DSS v4.0.1に準拠しており、導入企業はその実績をコンプライアンス対応に活用できます。

また、世界的な調査機関であるガートナー社の「Representative Providers」に選出された実績を持ち、グローバルでの評価も確立されています。これらの第三者評価を支えるのが、WAF専門メーカーであるペンタセキュリティが20年以上にわたり蓄積してきたノウハウと実績です。技術力・運用力・信頼性の三拍子が揃ったサービスとして、多くの企業から支持を集めています。

 

まとめ

Web攻撃の多様化が進む今、WAFの機能だけでは守りきれない領域が広がっています。複合的な脅威に対応するには、WAAPという包括的な防御基盤への移行が現実的な選択肢となっています。

Cloudbric WAF+は、6つのコアセキュリティを統合したクラウド型WAFサービスです。特許取得済みの高精度な検知エンジンと24時間365日のマネージドサービスにより、社内にセキュリティ専門家がいない企業でも、高いセキュリティレベルを維持できます。月額28,000円から導入でき、30日間の無料トライアルも用意されています。

 

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サイバー対処能力強化法とは?2026年施行の能動的サイバー防御|対象事業者・企業への影響・対応をわかりやすく解説

近年、重要インフラを標的としたサイバー攻撃は巧妙化・深刻化の一途をたどり、従来の受動的な防御体制では対応が難しくなっています。こうした状況を受け、2025年5月に「サイバー対処能力強化法」が成立しました。2026年中の施行を控え、基幹インフラ事業者をはじめとする多くの企業が、新たな義務への対応という課題に直面しています。

本記事では、法律の概要から対象事業者、企業に求められる具体的な対応をわかりやすく解説します。

 

サイバー対処能力強化法とは

サイバー対処能力強化法の正式名称は「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」です。名称が長いことから、一般的には「サイバー対処能力強化法」と呼ばれています。

この法律は、サイバー対処能力強化法本体と、関連する既存法を改正する「同整備法」の2つで構成されており、同整備法によってサイバーセキュリティ基本法・警察官職務執行法・自衛隊法など多岐にわたる法律も改正されます。  

施行スケジュールは、2025年5月16日に国会で成立し、同月23日に公布されました。大部分の規定は公布から1年6カ月以内(2026年中)に施行される予定です。なお、通信情報の利用に関する規定については、公布から2年6か月以内の施行となる予定であり、順次整備が進む見通しです。

 

サイバー対処能力強化法が制定された背景

サイバー対処能力強化法が制定された背景には、サイバー攻撃の深刻化と、欧米主要国との対応能力の格差という2つの大きな課題がありました。ここでは、法整備が求められた背景を解説します。

 

サイバー攻撃の巧妙化・深刻化による被害の拡大

近年、国内外でサイバー攻撃の件数は増加しており、その手口も巧妙化しています。たとえば、2021年には米国のコロニアルパイプラインがランサムウェア攻撃を受け、燃料供給が停止する事態が発生しました。

また、2022年には大阪急性期・総合医療センターが攻撃を受けて診療業務が大幅に制限され、2023年には名古屋港でシステム障害が発生してコンテナ搬出入業務が一時停止するなど、重要な社会機能に影響を及ぼす事象も確認されています。

こうした重要インフラを標的とする攻撃に加え、国家を背景とした高度なサイバー攻撃も日常的に行われており、安全保障上の深刻な懸念となっています。

2025年に発生したサイバー攻撃の事例については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

【2025年最新】国内外のサイバー攻撃事例10選!対策方法も紹介

 

サイバー対応能力の強化が求められる国際的な潮流

サイバー攻撃への対処能力強化は、今や世界各国で共通の課題となっています。米国や英国・ドイツといった欧米各国にとどまらず、韓国・台湾・イスラエルなどにおいても、サイバー攻撃に積極的に対処するための法整備や体制構築が進んでいます。

こうした国際的な潮流の中、日本ではサイバー攻撃への対処に関する法的根拠が十分に整備されておらず、対応能力の底上げが急務となっています。2022年12月に閣議決定された国家安全保障戦略では、サイバー安全保障分野での対応能力を主要国と同等以上に向上させることが明記され、その具体化に向けた法整備が強く求められるようになりました。

 

能動的サイバー防御とは

能動的サイバー防御(Active Cyber Defence)とは、サイバー攻撃を受けた後に対処する「受動的防御」とは異なり、攻撃の兆候を早期に把握し、被害が発生する前に未然に防ぐ「能動的防御」の考え方です。

国や重要インフラ等に対する重大なサイバー攻撃のおそれがある場合、先んじて攻撃インフラを排除し、被害の拡大を防止する体制を指します。  サイバー対処能力強化法は、国家安全保障戦略で示されたこの「能動的サイバー防御」を法的に実現するために整備された法律です。

この法律によって、政府は能動的サイバー防御に必要な権限、すなわち通信情報の利用や攻撃者サーバーへの侵入・無害化などを適法に行使できるようになります。

 

能動的サイバー防御を実現する4つの柱

サイバー対処能力強化法では、能動的サイバー防御を実現するための手段として、以下4つの柱が規定されています。

  • 官民連携の強化
    重要インフラ事業者と政府の情報共有体制を強化し、迅速な対処・支援を可能にします。
  • 通信情報の利用
    電気通信事業者の通信情報を政府が取得・分析し、攻撃者のサーバーなどを早期に検知します。
  • 攻撃者サーバーへの侵入・無害化
    警察や自衛隊が攻撃者のサーバーなどに侵入し、無害化する権限を付与します。
  • 組織・体制の整備
    NISCを改組し国家サイバー統括室(NCO)を設置。サイバー通信情報監理委員会も新設されます。

これら4つの柱が連携することで、従来の受動的防御では対応が難しかった高度なサイバー攻撃への対処を可能にします。

 

サイバー対処能力強化法の対象事業者

サイバー対処能力強化法は、すべての企業が直接の対象になるわけではありません。法律で定められた3つの事業者類型ごとに、求められる対応の内容が異なります。ここでは対象事業者別に紹介します。

 

基幹インフラ事業者(15分野の特定社会基盤事業者)

基幹インフラ事業者とは、経済安全保障推進法に基づき各主務大臣が個別に指定する「特定社会基盤事業者」を指します。電気・ガス・石油・水道・鉄道・貨物自動車運送・外航貨物・港湾運送・航空・空港・電気通信・放送・郵便・金融・クレジットカードの15分野が対象となっており、それぞれの分野を所管する省庁が個別に事業者を指定します。  

基幹インフラ事業者は、本法律において最も多くの義務が課される事業者類型です。特定重要電子計算機の届出義務やセキュリティインシデント発生時の報告義務のほか、政府との協議会への参加要請や情報共有協定締結の協議への対応など、複数の新たな対応が求められます。

 

電気通信事業者

電気通信事業者とは、通信キャリア(携帯電話事業者・固定電話事業者)やISP(インターネットサービスプロバイダー)など、電気通信役務を提供する事業者を指します。  

本法律では、政府がサイバー攻撃に用いられていると疑われる通信情報の分析を行うにあたり、電気通信事業者が独立機関であるサイバー通信情報監理委員会の承認を条件として、政府に特定の通信データを提供する仕組みが設けられています。

通信の秘密や個人のプライバシーへの配慮から、対象範囲は外外通信・外内通信・内外通信に限定されており、厳格な要件と手続きのもとで運用されます。

 

ITベンダー・関連企業(システム開発・保守事業者等)

ITベンダー・関連企業とは、基幹インフラ事業者が利用するシステムの開発・保守運用を行う事業者や、汎用的なソフトウェア・機器を提供する事業者を指します。  これらの事業者は基幹インフラ事業者に比べて直接課される義務は限定的ですが、官民共同の協議会への参加要請を受ける可能性があります。

また、基幹インフラ事業者のサプライチェーンに組み込まれている企業は、取引先からセキュリティ対策の強化や脆弱性情報の提供を求められるケースが増えることが予想されます。自社がサプライチェーンに含まれているかどうかを把握し、間接的な影響を見越した備えが必要です。

 

企業が準備すべき具体的な対応

2026年中の施行に向けて、対象事業者は今から準備を進めることが重要です。ここでは、基幹インフラ事業者を中心に、企業が取り組むべき3つの具体的な対応を解説します。

 

特定重要電子計算機の届出体制の整備

特定重要電子計算機とは、基幹インフラシステムの中核を担う重要なコンピューターやプログラムを指します。具体的にはファイアウォール・VPN装置・認証サーバー・重要なアプリケーションサーバーなどが想定されます。  基幹インフラ事業者はこれらの機器・ソフトウェアを導入する際に、製品名・製造者名・導入予定時期等を所管大臣に届け出る義務があります。

施行時点で既に導入済みのものについても、施行後一定の猶予期間内に届出が必要です。どの機器・システムが届出対象となるかは主務省令で定められますが、自社の基幹インフラシステムの構成を今から整理し、対象機器の洗い出しを進めておくとよいでしょう。

 

セキュリティインシデント報告体制の構築

基幹インフラ事業者は、不正アクセスやマルウェア感染などのセキュリティ侵害事象を知った際に、速やかに所管大臣と国家サイバー統括室(NCO)に報告する義務があります。注目すべき点は、確定的な侵害だけでなく、その原因となり得る「ヒヤリハット」事象も報告対象となる可能性があることです。

管理者IDやパスワードの窃取、マルウェアの痕跡、不審なアクセスログなども報告対象に含まれると考えられます。  この義務に対応するには、インシデントを迅速に検知し報告できる体制の整備が不可欠です。24時間365日の監視体制の構築、報告フローの明確化、担当者のアサインなど、詳細な手続きが主務省令で定められる前から準備を始めておくことが推奨されます。

 

政府との協議会・協定への対応準備

基幹インフラ事業者は、内閣総理大臣・関係行政機関・基幹インフラ事業者・ITベンダーで構成される官民共同の協議会への参加を要請される可能性があります。協議会ではサイバー攻撃に関する情報を共有し、構成員には守秘義務が課されます。

また、政府との間で外内通信情報の提供と分析結果の受領に関する協定締結の協議を求められた場合、正当な理由がない限り協議に応じる必要があります。なお、協定を締結しない場合でも不利益を与えない旨が基本方針等に明記される予定です。

協議会への参加や協定締結の可否については、情報セキュリティ部門だけでなく法務・経営層を含めた社内の意思決定体制を事前に整えておくことが重要です。

 

まとめ

サイバー対処能力強化法は、日本のサイバー安全保障体制を欧米主要国と同等水準に引き上げるための根拠法です。2026年中の施行を控え、基幹インフラ事業者には特定重要電子計算機の届出・インシデント報告・協議会対応など、新たな義務への対応が求められます。まずは届出対象機器の洗い出しと報告体制の整備から、早めに準備を進めることが重要です。

法律への対応を進める上でインシデント報告義務の前提となるのが、不正アクセスやマルウェア感染を迅速に検知できる体制の整備です。「Cloudbric WAF+」は、WAF・DDoS攻撃対策・ボット対策・API保護を統合したクラウド型セキュリティサービスで、AIによる自動検知により攻撃をリアルタイムで把握できます。報告体制の構築とあわせてご検討ください。

top10-2026

情報セキュリティ10大脅威2026が公表!2026年版のポイントや取り組むべき対策について解説

IPA(情報処理推進機構)は毎年、企業や個人を取り巻く情報セキュリティ上の主要な脅威を整理した「情報セキュリティ10大脅威」を公表しています。

2026年1月29日に公表された最新版では、従来から被害が続くランサム攻撃やサプライチェーン攻撃に加え、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が新たに選出されるなど、社会環境や技術動向の変化を反映した内容となりました。

本記事では、「情報セキュリティ10大脅威2026」の概要や前年からの変更点、企業が取り組むべき対策について解説します。

 

【2026年最新版】情報セキュリティ10大脅威

情報セキュリティ10大脅威は、近年のサイバー攻撃動向を把握するうえで重要な指標になります。まずは、情報セキュリティ10大脅威の概要と、2026年版における組織向け脅威について解説します。

 

情報セキュリティ10大脅威とは

情報セキュリティ10大脅威とは、IPAが毎年公表している、情報セキュリティにおける代表的な脅威をまとめたものです。前年に発生した社会的影響の大きいセキュリティ事案や、専門家の知見をもとに選定されており、実際の被害動向を反映している点が特徴です。

本取り組みの目的は、個人や企業に最新の脅威情報を周知し、適切なセキュリティ対策の実施を促進・啓発することにあります。組織向けと個人向けに分けて整理されているため、企業は自社の立場に応じたリスクを把握し、優先度の高い対策を検討する際の参考資料として活用できます。

 

組織における情報セキュリティ10大脅威(2026年版)

2026年版の組織向け情報セキュリティ10大脅威では、ランサム攻撃やサプライチェーン攻撃など、被害規模や影響範囲の大きい脅威が上位を占めています。

これらの脅威は、単なる情報漏えいにとどまらず、業務停止や社会的信用の低下といった深刻な影響をもたらします。特に近年は、複数の攻撃手法を組み合わせた巧妙な攻撃が増えており、従来型の対策だけでは十分とは言えない状況になっています。

 

順位 「組織」向け脅威 初選出年 10大脅威での取り扱い

(2016年以降)

1 ランサム攻撃による被害 2016年 11年連続11回目
2 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃 2019年 8年連続8回目
3 AIの利用をめぐるサイバーリスク 2026年 初選出
4 システムの脆弱性を悪用した攻撃 2016年 6年連続9回目
5 機密情報を狙った標的型攻撃 2016年 11年連続11回目
6 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃(情報戦を含む) 2025年 2年連続2回目
7 内部不正による情報漏えい等 2016年 11年連続11回目
8 リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃 2021年 6年連続6回目
9 DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃) 2016年 2年連続7回目
10 ビジネスメール詐欺 2018年 9年連続9回目

出典:「情報セキュリティ10大脅威 2026」IPA

 
前年(2025年版)との比較

2026年版と2025年版を比較すると、ランサム攻撃やサプライチェーン攻撃といった脅威が引き続き1位と2位にランクインしていることがわかります。

一方で、2026年版の3位には「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が新たに選出されました。これは、生成AIの急速な普及により、これまで想定されていなかった新たなリスクが顕在化してきたことを示しています。全体として、攻撃の高度化・多様化が進んでいる点が大きな特徴です。

 

順位 前年比 「組織」向け脅威2026 「組織」向け脅威2025
1 ランサム攻撃による被害 ランサム攻撃による被害
2 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3 NEW AIの利用をめぐるサイバーリスク システムの脆弱性を突いた攻撃
4 システムの脆弱性を悪用した攻撃 内部不正による情報漏えい等
5 機密情報を狙った標的型攻撃 機密情報を狙った標的型攻撃
6 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃(情報戦を含む) リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃
7 内部不正による情報漏えい等 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃
8 リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃 分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)
9 DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃) ビジネスメール詐欺
10 ビジネスメール詐欺 不注意による情報漏えい等

 
2026年版の注目ポイント

ここからは、2026年版の情報セキュリティ10大脅威の中でも、特に注目すべきポイントについて詳しく見ていきます。

 

ポイント①「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初選出

「AIの利用をめぐるサイバーリスク」は、今回初めて脅威候補に挙がり、第3位にランクインしました。生成AIの業務利用が急速に広がる一方で、AIに対する不十分な理解に起因する意図しない情報漏えいや、他者の権利侵害といった問題が懸念されています。

また、AIが生成・加工した情報を十分に検証せずに利用することで、誤った判断につながるリスクも指摘されています。さらに、AIを悪用することでサイバー攻撃の自動化や手口の巧妙化が進み、攻撃のハードルが下がっていることも大きなリスクになります。

今後、AIの普及に関連したリスクはさらに深刻化すると考えられます。

 

ポイント②「ランサム攻撃による被害」が6年連続で1位

ランサム攻撃による被害は、2021年から2026年まで6年連続で組織向け脅威の1位にランクインしています。ランサムウェアの被害件数は依然として高い水準で推移しており、最も警戒すべき脅威のひとつとなっています。

2025年には、アサヒグループがランサム攻撃による被害を受け、大規模なシステム障害が発生した事例もありました。近年のランサム攻撃は、データを暗号化するだけでなく、情報漏えいを伴う「二重恐喝」が主流となっており、企業への影響はますます大きくなっています。

ランサムウェアについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

企業を狙ったランサムウェア攻撃から学ぶ、企業に必要なセキュリティ対策

 

ポイント③「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」が4年連続で2位

サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃は、2023年から4年連続で2位にランクインしています。サプライチェーンを経由した被害件数も増加傾向にあり、長期的な脅威として認識されています。

特に、ランサム攻撃においては、取引先や委託先などのサプライチェーンを経由して侵入されるケースが増えています。2025年には、アスクルが受けたサイバー攻撃により、ASKULやLOHACOなどサプライチェーン全体に影響が及んだ事例もありました。自社だけでなく、周辺企業を含めた対策の重要性が高まっています。

サプライチェーン攻撃については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

サプライチェーン攻撃とは? 攻撃方法やその対策を紹介

 

企業が取り組むべきセキュリティ脅威への対策

選出されたセキュリティ脅威に対して、企業は優先度を決めて対策を行うことが重要です。ここでは、2026年版の10大脅威を踏まえ、優先度の高い対策について解説します。

 

対策① ランサム攻撃を想定した多層防御の導入

「ランサム攻撃による被害」は、2026年も組織における10大脅威の1位にランクインしており、影響の大きさからも対策は必須です。

ランサム攻撃に備えるためには、侵入防止、攻撃の検知、被害拡大の防止といった複数の段階で対策を講じる「多層防御」の考え方が重要となります。

たとえば、WAFはWebアプリケーションへの不正アクセスを防止し、EDRは端末上での不審な挙動を検知・対応します。これらを組み合わせることで、単一対策では防ぎきれない攻撃への耐性を高めるだけでなく、実際に攻撃を受けた際の被害軽減にもつながります。

 

対策② サプライチェーン全体を意識したセキュリティ管理

「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」は2026年も組織における10大脅威の第2位に位置しており、重要なセキュリティ課題となっています。

サプライチェーン攻撃への対策としては、自社だけでなく取引先や委託先を含めたセキュリティ強化が不可欠です。

そのためには、委託先のセキュリティ対策状況の把握や、セキュリティ要件を明確化する必要があり、クラウドサービス事業者を含めたサプライチェーン全体の管理が求められます。

 

対策③ AI利用に関するセキュリティルールの策定

2026年に初選出された「AIの利用をめぐるサイバーリスク」への対策として、AI利用に関する社内ルールの整備などを進める必要があります。

生成AIの業務利用が進む中で、従業員が無意識に機密情報をAIへ入力してしまうケースも想定されます。

AI利用におけるリスクに対応するためには、技術的な制御だけでなく、利用範囲や禁止事項を明確にしたガイドラインを策定し、従業員に周知することが重要です。

 

対策④ 脆弱性管理と定期的なセキュリティ点検

「システムの脆弱性を悪用した攻撃」はサイバー攻撃の基本的な手法になっています。実際に、ソフトウェアやクラウド環境の脆弱性は、ランサム攻撃の侵入口としても多く利用されています。

脆弱性を放置することで、既知の攻撃手法でも被害が発生する可能性が高まります。そのため、脆弱性管理を徹底し、定期的なアップデートやセキュリティ点検を継続的に実施することが重要です。

脆弱性については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

脆弱性とは?被害例や攻撃手法、セキュリティ対策方法を紹介

 

対策⑤ 従業員への継続的なセキュリティ教育

「内部不正による情報漏えい等」や「ビジネスメール詐欺」など、人に起因するリスクへの対策も重要です。人に起因するリスクを軽減するためには、技術的な対策だけではなく、従業員のセキュリティ意識を向上させる必要があります。

従業員への継続的なセキュリティ教育や、内部不正を防ぐための啓蒙活動を行うことで人的リスクによる被害を軽減することができます。特に、フィッシングメールなどは日々巧妙化しているため、標的型メール訓練などを実施することも効果的です。

 

まとめ:変化する脅威に備えた継続的な見直しを

情報セキュリティ10大脅威2026では、ランサム攻撃やサプライチェーン攻撃といった従来型の脅威に加え、AIの利用をめぐる新たなリスクが選出されました。

企業は公表されたセキュリティ脅威を正しく理解し、優先度を意識して対策に取り組む必要があります。さらに、継続的にセキュリティ対策の見直しと改善を行い、変化する脅威に対応していくことが重要です。

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脆弱性診断サービス比較5選|費用相場と選び方をわかりやすく解説

近年、サイバー攻撃の巧妙化により、企業の情報システムに潜む脆弱性を狙った被害が増加しています。不正アクセスや情報漏えいを未然に防ぐため、脆弱性診断サービスの導入を検討する企業が増えています。

しかし、「どのサービスを選べばよいのか」「費用相場はいくらか」「ツール診断と手動診断の違いは何か」といった疑問を持つ担当者も少なくありません。本記事では、脆弱性診断サービスの種類や費用相場、おすすめサービス5選を解説します。

 

脆弱性診断サービスとは

「脆弱性」とは、総務省の定義によると「コンピューターのOSやソフトウェアにおいて、プログラムの不具合や設計上のミスが原因となって発生した情報セキュリティ上の欠陥」を指します。

脆弱性診断サービスとは、ネットワークやOS、Webアプリケーション、サーバー、ミドルウェアなどに潜むセキュリティ上の弱点を専門的に検出し、サイバー攻撃のリスクを低減するためのサービスです。

脆弱性を放置すると、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの攻撃手法により、不正アクセスや個人情報の漏えいといった深刻な被害につながる可能性があります。

脆弱性については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

脆弱性とは?被害例や攻撃手法、セキュリティ対策方法を紹介

 

脆弱性診断が必要な理由

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」では、セキュリティ診断の実践が推奨されています。

近年、大企業を中心に、システム導入要件や入札要件に「脆弱性診断の実施」を加える企業が増加しています。取引先から診断結果の提出を求められるケースも多く、ビジネス上の必要性が高まっています。

また、個人情報保護法などの法規制対応、業界ガイドライン遵守といったコンプライアンス要件を満たすためにも、定期的な診断が必要です。診断実施により、セキュリティ対策状況を客観的に証明でき、取引先や顧客からの信頼獲得につながります。

 

脆弱性診断サービスの種類

脆弱性診断サービスは、「診断対象」と「診断方法」という2つの軸で分類されます。ここでは、デジタル庁のガイドラインに基づき、それぞれの分類について詳しく解説します。

 

診断対象による分類

デジタル庁「政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン」では、脆弱性診断を「Webアプリケーション診断」「プラットフォーム診断」「スマートフォンアプリ診断」の3つに分類しています。

  • Webアプリケーション診断
    WebアプリやWeb APIに疑似攻撃リクエストを行い、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの脆弱性を検出します。
  • プラットフォーム診断
    サーバーやネットワーク機器に疑似攻撃通信を行い、ポート開放状態、脆弱なソフトウェア、設定不備などを確認します。
  • スマートフォンアプリ診断
    AndroidやiOS向けアプリの通信経路やアプリ内部構造の脆弱性を確認します。

 

診断方法による分類

デジタル庁「政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン」では、診断手法を「ツールによる自動診断」「専門家による手動診断」「両者の併用」の3種類に分類しています。

  • ツール診断(自動診断)
    専用ツールで自動的に脆弱性を検出する方法です。効率的ですが、複雑な脆弱性の検出は困難です。
  • 手動診断
    セキュリティエンジニアが手作業で診断する方法です。ツールでは検出できないシステム固有の脆弱性やビジネスロジックの欠陥まで検出可能で精度が高い反面、費用は高めです。
  • ハイブリッド診断
    両者を組み合わせた方法で、ガイドラインでは併用が推奨されています。

 

脆弱性診断サービスの費用相場

脆弱性診断サービスの費用は、診断方法や診断対象の規模によって大きく変動します。ここでは、ツール診断と手動診断それぞれの費用相場、および費用に影響する要因について解説します。

 

ツール診断の費用相場

ツール診断の費用相場は、無料〜数十万円です。

オープンソースの診断ツールを自社で運用する場合は無料ですが、専門知識が必要です。月額課金型のクラウドサービスでは月額数万円から利用でき、継続的な診断に適しています。ツール診断は簡易的な診断や初期診断として活用されることが多く、コストを抑えながらセキュリティ対策の第一歩を踏み出せます。

ただし、ツール診断のみでは検出できない脆弱性があることに注意が必要です。特に、ビジネスロジックにかかわる脆弱性やシステム固有の設計上の問題は、ツールでは発見が困難です。

 

手動診断の費用相場

手動診断の費用相場は、数十万円〜数百万円です。

診断対象の規模によって費用が大きく変動し、Webサイトのページ数やリクエスト数、機能の複雑さなどが影響します。セキュリティエンジニアが手作業で詳細に診断するため、ツール診断では検出できない高度な脆弱性まで発見できる精度の高さが特徴です。

より精度の高い診断を求める場合や、個人情報保護法対応、PCI DSS準拠などのコンプライアンス要件を満たす場合にはおすすめの手法となります。

 

費用に影響する要因

脆弱性診断の費用は、以下の要因によって変動します。

  • 診断対象の規模
    Webサイトのページ数やリクエスト数、サーバー台数などにより費用が変動します。
  • 診断方法
    ツール診断のみか、手動診断を含むかで費用が大きく異なります。
  • 診断項目の数
    基本項目のみか、詳細項目まで含むかで費用が変動します。
  • オプションサービス
    報告会の実施、再診断の回数、改善コンサルティングなどにより費用が追加されます。
  • 診断の実施条件
    平日・休日、昼間・夜間、リモート・オンサイトによっても費用が変わります。

 

脆弱性診断サービス比較

ここでは、国内で提供されている代表的な脆弱性診断サービス5選を紹介します。それぞれの特徴や診断方法、費用目安を比較し、自社に最適なサービス選びの参考にしてください。

 

Cloudbric 脆弱性診断(ペンタセキュリティ/クラウドブリック)

Cloudbric 脆弱性診断は、セキュリティエキスパートによる手動診断を採用し、高精度な診断を実現します。Webサイト、Webアプリケーション、API、プラットフォーム、スマートフォンアプリ、ペネトレーションテストの6種類から選択可能です。

Webアプリケーション診断では、CVSSスコアとEPSS情報を組み合わせた「深刻度×悪用度」の評価スコアで診断することで、優先対応すべき脆弱性を明確化できます。

脆弱性対策としてCloudbric WAF+などのソリューション提案も可能で、診断から対策まで一貫したサポートを受けられます。

 

Securify(株式会社スリーシェイク)

Securifyは、URLを登録するだけで最短3ステップで診断を開始できるWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。

SQLインジェクションやOSコマンドインジェクションなど、3,000以上の診断項目に対応しており、包括的なセキュリティチェックが可能です。ツール診断と専門家による手動診断を組み合わせたハイブリッド型を採用し、自動検査の効率性と手動診断の精度を両立しています。

シンプルで直感的なインターフェースにより、セキュリティの専門知識がなくても操作できます。また、SlackやTeamsとの連携機能を搭載し、診断結果を開発チームやセキュリティチームと容易に共有できます。

無料プランも用意されており、有料プランは月額50,000円から利用可能です。

 

AeyeScan(株式会社エーアイセキュリティラボ)

AeyeScanは、AIとRPAを活用し、最短10分で診断を開始できるWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。

自動でサイトを巡回して画面遷移図を生成し、診断対象を可視化する機能が特徴です。OWASP Top 10など幅広い診断項目に対応し、主要な脆弱性を効率的に検出できます。非エンジニアでも操作可能な使いやすいインターフェースを備えており、専門知識がなくても安心して利用できます。診断結果は詳細な日本語レポートとして自動生成されます。

無料トライアルが用意されており、実際の操作感を確認してから導入を検討できます。

 

vex / VexCloud(株式会社ユービーセキュア)

vex / VexCloudは、国内シェアNo.1の純国産Webアプリケーション脆弱性検査ツールです。

自動巡回機能とシナリオマップによる柔軟な診断設定が可能で、複雑なWebアプリケーションの診断にも対応できます。純国産ツールならではの強みとして、マルチバイト文字列(日本語)の取り扱いに起因する脆弱性にも対応しており、日本語サイトの診断に適しています。

オンプレミス版(vex)とクラウド版(VexCloud)の2種類を提供しており、企業のシステム環境や運用方針に応じて選択できます。

診断結果レポートは日本語・英語で10種類のレポート形式に対応しており、用途に応じて選択可能です。2週間の無料トライアルが用意されています。

 

LANSCOPE プロフェッショナルサービス 脆弱性診断(エムオーテックス株式会社)

LANSCOPE プロフェッショナルサービス 脆弱性診断は、経済産業省「情報セキュリティサービス基準」適合サービスです。

国家資格「情報処理安全確保支援士」を保有する専門家による手動診断を実施しており、高い信頼性と診断精度が特徴です。Webアプリケーション、ネットワーク、クラウド環境まで幅広く対応します。

20年以上の診断実績に基づくノウハウを活用しており、豊富な経験から得られた知見を診断に反映します。診断結果レポートでは、発見された脆弱性に対する具体的な対策方法まで提案してくれるため、診断後の改善活動をスムーズに進められます。

 

まとめ

本記事では、脆弱性診断サービスの種類や費用相場、おすすめサービス5選を解説しました。

脆弱性診断は、サイバー攻撃による被害を未然に防ぐために欠かせない取り組みです。診断方法には「ツール診断」「手動診断」「ハイブリッド診断」があり、それぞれ費用や精度が異なります。自社の予算や診断目的に応じて最適なサービスを選択することが重要です。

Cloudbric 脆弱性診断」は、セキュリティエキスパートによる6種類の高精度な手動診断を提供しています。たとえば、Webアプリケーションは、CVSSスコアとEPSS情報を組み合わせた評価スコアによる診断で、優先対応すべき脆弱性を明確化できます。

脆弱性診断の導入をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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サプライチェーン攻撃の事例を紹介! 被害事例から見える対策法とは

近年、大企業のセキュリティ対策が強化される一方で、取引先や委託先を経由したサイバー攻撃が急増しています。こうした「サプライチェーン攻撃」は、セキュリティが手薄な組織を踏み台にして本来の標的に侵入する手法であり、一企業への攻撃が業界全体に波及する深刻な被害をもたらします。

本記事では、国内外の具体的な被害事例を紹介し、攻撃の手口や効果的な対策方法を詳しく解説します。

 

サプライチェーン攻撃とは

サプライチェーン攻撃とは、標的企業を直接攻撃するのではなく、セキュリティ対策が手薄な取引先・子会社・委託先などを経由して侵入するサイバー攻撃手法です。

攻撃者は「サプライチェーン(供給網)」の中で最も脆弱な部分を狙い、そこを踏み台にして本来の標的である大企業や重要インフラに到達します。大企業が高度なセキュリティ対策を施していても、取引先の中小企業が攻撃の入り口となり、正規の通信経路を悪用されるため、検知が非常に困難です。

IPAの定義では「商流に関わる組織間の関係性を悪用した攻撃」と位置づけられており、企業間の信頼関係そのものが攻撃の手がかりとなります。

サプライチェーン攻撃については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

サプライチェーン攻撃とは? 攻撃方法やその対策を紹介

 

サプライチェーン攻撃が増加している背景

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2025」において、サプライチェーン攻撃は組織向け脅威の2位にランクインしています。

大企業のセキュリティ対策が強化される一方、中小企業は人材・予算の制約から対策が遅れがちであり、攻撃者にとって「入り口」として狙われやすい状況にあります。

さらに、デジタル化の進展により、企業間のシステム連携やクラウドサービス利用が拡大し、攻撃対象となる接点が増加していることも要因です。一社のセキュリティ対策が不十分だと、サプライチェーン全体がリスクに晒されるため、企業単体ではなく供給網全体での防御が求められています。

 

サプライチェーン攻撃の主な手口

サプライチェーン攻撃には、攻撃者の目的や標的によってさまざまな手口が存在します。ここでは、代表的な3つの攻撃手法について解説します。

 

取引先・委託先を踏み台にする攻撃(アイランドホッピング攻撃)

アイランドホッピング攻撃は、セキュリティ対策が脆弱な取引先や業務委託先に侵入し、そこから本来の標的企業のネットワークへアクセスする手法です。

攻撃者は取引先との正規の通信経路やVPN接続を悪用するため、標的企業側では不正アクセスと認識されず、検知が非常に困難です。通常の業務通信と区別がつかないため、従来のセキュリティ対策では防ぎきれません。

特に、海外子会社や地方拠点など、本社と比較してセキュリティレベルが低い組織が狙われやすい傾向にあります。

 

ソフトウェアサプライチェーン攻撃

ソフトウェアサプライチェーン攻撃は、ソフトウェアの開発・配布過程に悪意のあるコードを混入させ、そのソフトウェアを利用する多数の組織に被害を拡大させる手法です。

正規のソフトウェアアップデートに見せかけてマルウェアを配布するため、利用者は信頼できる提供元からのアップデートと認識し、気づかずに感染してしまいます。開発環境やビルドサーバーへの侵入により、ソースコード自体が改ざんされるケースもあります。

近年、オープンソースライブラリや外部モジュールへの依存が高まる中、開発段階でのセキュリティ管理の重要性が増しています。

 

サービスサプライチェーン攻撃

サービスサプライチェーン攻撃は、MSP(マネージドサービスプロバイダー)やクラウドサービス事業者など、ITサービスを提供する企業を攻撃し、そのサービスを利用する顧客企業に被害を波及させる手法です。

1社のサービス事業者が侵害されると、そのサービスを利用する数百から数千社に同時に影響が及ぶ可能性があり、被害規模が極めて大きくなります。攻撃者は効率的に多数の組織を侵害できるため、近年特に狙われやすくなっています。

クラウドサービスの普及に伴い、多くの企業が外部サービスに依存する現状では、この攻撃手法のリスクが一層高まっています。

 

サプライチェーン攻撃の国内事例

日本国内でも、サプライチェーン攻撃による深刻な被害が相次いで報告されています。ここでは、近年発生した代表的な3つの事例を紹介します。

 

アサヒグループホールディングス(2025年9月)

2025年9月29日、アサヒグループホールディングスがランサムウェア攻撃を受け、国内の全業務システムが停止しました。

商品の受注・出荷業務が全面停止し、国内工場の生産も一時停止に追い込まれる事態となりました。特に深刻だったのは、セブンイレブンやイオンなど大手小売業者向けのPB(プライベートブランド)商品の出荷が停止したことです。この影響により、サプライチェーン全体に被害が波及しました。

復旧には約2カ月を要し、段階的にシステムを再稼働させる長期対応を余儀なくされ、企業活動への影響は甚大でした。

2025年に発生した国内のサイバー攻撃事例については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

【2025年最新】国内外のサイバー攻撃事例10選!対策方法も紹介

 

アスクル(2025年10月)

2025年10月19日、アスクルがランサムウェア攻撃を受け、システム障害が発生しました。法人向けサービス「ASKUL」および個人向けサービス「LOHACO」の受注・出荷業務が全面停止する事態となりました。

さらに深刻だったのは、物流業務を委託していた無印良品、LOFT、そごう・西武などのオンラインストアにも被害が波及したことです。一企業への攻撃が、取引関係にある複数の企業に連鎖的に影響を及ぼしました。

また、約72万件以上の個人情報流出が確認され、初期侵入から攻撃発動まで約4カ月の潜伏期間があったことも判明しています。

 

トヨタ自動車・小島プレス工業(2022年3月)

2022年3月、トヨタ自動車の主要サプライヤーである小島プレス工業がランサムウェア攻撃を受けました。

小島プレス工業のシステム停止により、トヨタは国内全14工場28ラインの稼働を1日停止せざるを得ない事態となりました。この影響で約1万3000台の生産に支障が出たとされています。

この事例は、サプライチェーンの1社への攻撃が大企業の生産活動を直撃した象徴的なケースとして広く知られています。取引先企業のセキュリティ対策の重要性を改めて認識させる契機となり、企業間での連携強化の必要性が強く意識されるようになりました。

 

サプライチェーン攻撃の海外事例

サプライチェーン攻撃は世界規模で発生しており、特に海外では大規模な被害事例が報告されています。ここでは、国際的に注目された2つの事例を紹介します。

 

SolarWinds事件(2020年12月)

2020年12月、米国のIT管理ソフトウェア企業SolarWindsの製品「Orion」にバックドアが仕込まれ、同製品を利用する世界中の組織が被害を受けました。

米国政府機関(国務省、財務省、国土安全保障省など)を含む約18,000組織に影響が及んだとされ、被害規模は前例のないものとなりました。攻撃者は正規のソフトウェアアップデートを通じてマルウェアを配布したため、利用者は信頼できる提供元からの更新として受け入れ、検知が極めて困難でした。

この事件は、ソフトウェアサプライチェーン攻撃の危険性を世界に知らしめた象徴的な事例として認識されています。

 

Kaseya VSA事件(2021年7月)

2021年7月、米国のIT管理ソフトウェア企業KaseyaのリモートIT管理ツール「VSA」が攻撃を受け、同ツールを利用するMSP(マネージドサービスプロバイダー)経由で多数の企業がランサムウェアに感染しました。

直接の被害を受けたMSPは約60社、その顧客企業を含めると最大1,500社以上に影響が及んだとされています。1つのソフトウェアの脆弱性を突くことで、MSPを経由して連鎖的に被害が拡大しました。

この事件は、サービスサプライチェーン攻撃により、1つの脆弱性が多層的に被害を拡大させた典型例として、企業のサプライチェーンリスク管理の重要性を示しています。

 

サプライチェーン攻撃への対策

サプライチェーン攻撃から企業を守るには、自社だけでなくサプライチェーン全体でのセキュリティ強化が不可欠です。ここでは、効果的な3つの対策を紹介します。

 

自社のセキュリティ対策を強化する

サプライチェーン攻撃への対策として、まず自社のセキュリティ基盤を強化することが重要です。

エンドポイント対策(EDR)の導入により、侵入後の不審な挙動を早期に検知・対応できます。多要素認証(MFA)の導入は、認証情報が漏えいした場合でも不正アクセスを防止する効果があります。

また、定期的な脆弱性診断とセキュリティパッチの適用により、攻撃者に悪用される脆弱性を減らすことが可能です。WAF(Web Application Firewall)の導入も効果的で、Webアプリケーションへの攻撃を検知・遮断できます。

WAFについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

セキュリティ対策に有効なWAFとは?仕組みや種類、おすすめ製品を紹介

 

取引先・委託先のセキュリティを評価・管理する

自社のセキュリティを強化するだけでなく、取引先や委託先のセキュリティ対策状況を定期的に確認・評価する仕組みを構築することが重要です。

契約時にセキュリティ要件を明記し、遵守状況を監査できる条項を盛り込むことで、取引先にも一定のセキュリティ水準を求めることができます。セキュリティチェックシートの提出や定期監査により、リスクの高い取引先を把握しましょう。

また、サプライチェーン全体でセキュリティ基準を共有し、対策が不十分な組織を支援する体制も必要です。

 

インシデント対応体制とBCPを整備する

サイバー攻撃を受けた際の初動対応手順を明確化し、関係者間で共有・訓練しておくことが重要です。迅速な初動対応により、被害の拡大を最小限に抑えることができます。

特にランサムウェア対策として、バックアップデータはオフライン環境にも保管し、暗号化被害を受けても復旧できる体制を整えましょう。ネットワーク接続されたバックアップのみでは、同時に暗号化されるリスクがあります。

また、事業継続計画(BCP)にサイバー攻撃のシナリオを追加し、業務停止時の代替手段を準備しておくことも不可欠です。

 

まとめ

サプライチェーン攻撃は、取引先や委託先といった「弱い環」を狙う巧妙な手法であり、一企業への攻撃が業界全体に波及する深刻な脅威です。自社だけでなく、サプライチェーン全体でセキュリティレベルを向上させることが不可欠です。

自社のセキュリティ対策として、WAF(Web Application Firewall)の導入は有効な手段のひとつです。「Cloudbric WAF+」は、Webアプリケーションへの攻撃を検知・遮断するクラウド型WAFで、AIによる自動検知機能を備えています。

サプライチェーン攻撃への対策をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

owasp-2025

OWASP Top 10 2025完全ガイド|2021年版との違いと対策を徹底解説

2025年11月、Webアプリケーションセキュリティの業界標準「OWASP Top 10」の最新版が公開されました。

前回の2021年版から約4年が経過し、サプライチェーン攻撃の急増やクラウド環境の複雑化など、脅威の状況は大きく変化しています。本記事では、OWASP Top 10 2025の全カテゴリーと、2021年版からの主要な変更点を詳しく解説します。

 

OWASPとは?

OWASPとは「Open Worldwide Application Security Project」の略称で、Webアプリケーションセキュリティの向上を目的とする非営利コミュニティです。

2001年に設立され、世界中のセキュリティ専門家や開発者がボランティアベースで活動しています。脆弱性診断ツールやセキュリティ検証標準など、さまざまなリソースを無償で提供しています。

中でもOWASP Top 10は、Webアプリケーションにおける重大なセキュリティリスクをまとめた成果物として、世界中の企業や政府機関で参照されています。

 

OWASP Top 10とは何か

OWASP Top 10は、Webアプリケーションにおける最も重大な10のセキュリティリスクをランキング形式でまとめたドキュメントです。技術の進化や攻撃手法の変化、新たな脆弱性の発見に対応するため、3〜4年ごとに更新されています。

2025年版は280万以上のアプリケーションから収集したデータと、13の貢献組織から提供された情報をもとに作成されました。米国政府や欧州各国の政府機関をはじめ、金融・医療・IT業界など幅広い分野でセキュリティ標準やコンプライアンスのベースラインとして採用されており、業界標準としての地位を確立しています。

 

OWASP Top 10が重要な理由

Forrester Researchの調査によると、56%の企業がアプリケーション関連の脆弱性による侵害を経験しており、アプリケーション層が企業にとって主要な攻撃対象となっていることがわかります。

OWASP Top 10がセキュリティ対策の優先順位付けに欠かせない理由は、以下の3つです。

  • 限られたリソースで最大の効果を得られる
  • 監査やコンプライアンス対応のベースラインとなる
  • 開発者教育の標準教材として活用できる

日本でも金融庁のサイバーセキュリティガイドラインや経済産業省のセキュリティ対策指針でOWASPが参照されており、国内企業にとっても無視できない存在となっています。

 

OWASP Top 10 2025とは

OWASP Top 10 2025は、2025年11月6日にRelease Candidate 1(RC1)が公開され、2026年初頭に正式版のリリースが予定されています。2003年の初版から数えて8回目の更新となり、過去最大規模のデータ収集が行われました。

本バージョンでは248のCWE(共通脆弱性タイプ一覧)を10のリスクカテゴリーに分類し、インシデント率・悪用容易性・影響度の3要素で評価しています。また、データ分析に加えてセキュリティ専門家へのコミュニティ調査も反映されており、客観的なデータと実務者の知見の両方を取り入れた標準となっています。

 

2021年版からの主要変更点

OWASP Top 10 2025では、2021年版から大きな変更が加えられています。主要な変更点を見ていきましょう。

 

2021年版と2025年版を比較

2021年版と2025年版の主な順位変動は、下表のとおりです。

順位 2021年版 2025年版
A02 Cryptographic Failures Security Misconfiguration(↑5位から)
A04 Insecure Design Cryptographic Failures(↓2位から)
A05 Security Misconfiguration Injection(↓3位から)
A10 Server-Side Request Forgery Mishandling of Exceptional Conditions(新規)

 

注目すべき変更点は4つあります。まず、「セキュリティ設定ミス」が5位から2位へ急上昇しました。次に、「暗号化の失敗」が2位から4位へ、「インジェクション」が3位から5位へそれぞれ下降しています。

また、A10には新規カテゴリー「例外条件の不適切な処理」が追加されました。インジェクションや暗号化の失敗の順位降下は、業界全体で対策が進んでいることの表れと言えるでしょう。

 

順位変動の要因

この順位変動には3つの要因があります。

  • サプライチェーン攻撃の急増
    ソフトウェアの開発や配布の過程を狙った攻撃が増え、多くの企業が被害を受けている
  • クラウド環境の複雑化
    設定項目が増えたことで、設定ミスが起きやすくなった
  • 障害時の安全性への注目
    エラー発生時の対処が新たなリスク領域として認識されるようになった

このように、セキュリティの視点はコード単体から、システム全体へと広がっています。

 

OWASP Top 10 2025の全カテゴリー解説

ここからは、OWASP Top 10 2025の各カテゴリーについて詳しく解説します。

 

A01 – Broken Access Control(アクセス制御の不備)

アクセス制御の不備は、2021年版に続き1位を維持しています。SSRFの統合により対象範囲も拡大しました。具体例としては、URLパラメータを変更して他ユーザーのデータを閲覧する攻撃や、一般ユーザーが管理者機能にアクセスする権限昇格などがあります。

対策としては、サーバー側での権限チェックの徹底と、必要最小限の権限のみを付与する設計が重要となります。

 

A02 – Security Misconfiguration(セキュリティ設定ミス)

5位から2位へ急上昇したのがセキュリティ設定ミスです。クラウド環境の普及で設定項目が増え、ミスが発生しやすくなったことが背景にあります。

実際に、設定ミスによる大規模な情報漏えい事例も報告されています。クラウドストレージの公開設定や初期パスワードの放置など、基本的な見落としが重大な被害につながるため、定期的な設定監査が欠かせません。

 

A03 – Software Supply Chain Failures(サプライチェーンの失敗)

2025年版で最も注目すべきカテゴリーのひとつです。2021年版の「脆弱なコンポーネント」から範囲が大幅に拡大し、外部ライブラリだけでなく開発・配布プロセス全体のリスクを対象としています。

信頼されていたソフトウェアへのバックドア混入など、供給網を狙った攻撃が増加しており、ソフトウェア構成の管理と配布元の信頼性確認が重要となります。

サプライチェーン攻撃への対策については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

サプライチェーン攻撃とは? 攻撃方法やその対策を紹介

 

A04 – Cryptographic Failures(暗号化の失敗)

2位から4位へ順位を下げましたが、依然として注意が必要なカテゴリーです。順位低下の背景には、無料でSSL証明書を取得できるサービスの普及や、最新フレームワークでの暗号化機能の標準搭載があります。

ただし、古い暗号化方式の使用や暗号鍵をソースコードに直接記述するケースは今も見られるため、最新方式の採用と暗号鍵の適切な管理が求められます。

 

A05 – Injection(インジェクション)

長年トップ3に君臨していたインジェクションですが、2025年版では5位に後退しました。最新のフレームワークが対策機能を標準で備えるようになったためです。

ただし、レガシーシステムや、AIへの不正な指示を送り込むプロンプトインジェクションなど新たな形態も登場しています。入力値の検証やWAFの導入といった基本的な対策が引き続き重要です。

SQLインジェクションについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください

SQLインジェクションとは? 攻撃の仕組みや被害例、対策方法を解説

 

A06 – Insecure Design(安全が確認されない不安な設計)

2021年版で追加されたカテゴリーで、設計段階でのセキュリティ欠陥を指します。たとえば、ログイン試行回数に制限がなければ総当たり攻撃を防げません。

また、決済処理の順序を飛ばせる設計では、支払いなしで購入が完了してしまいます。後から修正するには大きなコストがかかるため、開発の初期段階からセキュリティを考慮した設計を行うことが不可欠です。

 

A07 – Authentication Failures(認証の失敗)

セッション管理を外部に委託する企業が増え、全体的には改善傾向にあります。しかし、自社で認証機能を開発する場合にはリスクが残ります。

単純なパスワードの許可や多要素認証の未導入がよくある問題であり、パスワードポリシーの強化と多要素認証の導入が基本的な対策となります。

 

A08 – Software or Data Integrity Failures(ソフトウェア/データ完全性の失敗)

8位を維持しているカテゴリーです。A03のサプライチェーンが外部からの供給に焦点を当てるのに対し、A08は自社環境内でのソフトウェアやデータの改ざん検知に焦点を当てています。

署名のないアップデートの受け入れや、外部スクリプトの改ざん検知漏れなどが該当します。署名検証の実施と、信頼できる配布元からのみ取得することが有効な対策となります。

 

A09 – Logging & Alerting Failures(ログ・アラートの失敗)

9位を維持していますが、2025年版では名称に「Alerting」が追加されました。ログを記録するだけでなく、異常を検知して通知する仕組みの重要性が高まっているためです。

ランサムウェアの侵入に数週間も気づかれなかったケースも報告されています。重要な操作のログ記録、ログの改ざん防止、リアルタイムでの異常検知と通知の整備が求められます。

サイバー攻撃のリアルタイム可視化ツールについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

サイバー攻撃リアルタイム可視化ツールとは?おすすめや注意点を解説

 

A10 – Mishandling of Exceptional Conditions(例外条件の不適切な処理)

2025年版で新たに追加されたカテゴリーです。セキュリティ専門家への調査で50%が最優先の懸念事項として挙げたことから採用されました。

エラー画面にシステムの内部情報が表示される、エラー時にセキュリティチェックがスキップされるといった問題が該当します。エラー発生時には必要最小限の情報のみを表示し、安全側に倒す設計が重要となります。

 

まとめ

OWASP Top 10 2025では、近年の脅威動向を反映した変更が加えられ、セキュリティ対策の優先順位を見直す上で、重要な指針となるでしょう。これらの脅威からWebアプリケーションを守るには、WAF(Web Application Firewall)の導入が効果的です。

Cloudbric WAF+」は、インジェクションやアクセス制御の不備など、OWASP Top 10で指摘される主要な脅威に対応したクラウド型WAFです。また、AWS環境をご利用の場合は、OWASP Top 10のルールセットを含む「Cloudbric WMS」もご検討ください。

自社のセキュリティ強化をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【2025年版】WAFのおすすめ4製品を比較!機能や価格をわかりやすく紹介

近年、Webサイトを狙った攻撃が急増しており、SQLインジェクションや不正ログインによる情報漏えいが多発しています。こうした脅威からWebアプリケーションを守る仕組みとして注目されているのが「WAF(Web Application Firewall)」です。

本記事では、WAFの仕組みや必要性を解説し、主要サービスを比較して、自社に最適なWAF選定のポイントを紹介します。

 

WAFの機能

WAFという言葉を耳にしても、「ファイアウォールと何が違うのか?」と疑問に感じる方がいるかもしれません。ここでは、WAFの基本的な仕組みやファイアウォール・IPSとの違い、さらに防御できる主な攻撃手法について解説します。

 

WAFとは

WAF(Web Application Firewall)とは、Webサーバーの前段に配置され、Webアプリケーションを保護するための防御システムです。

ブラウザから送信されるHTTP・HTTPS通信をリアルタイムで解析・検査し、通信内容に攻撃パターン(シグネチャー)や不審な挙動が含まれている場合は、そのリクエストを遮断します。これにより、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、Webアプリケーションの脆弱性を悪用するサイバー攻撃を未然に防ぐことが可能です。

さらに、アプリケーション自体を改修することなく防御力を高められる点も大きな特長であり、運用コストを抑えつつセキュリティを強化できます。

WAFについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

セキュリティ対策に有効なWAFとは?仕組みや種類、おすすめ製品を紹介

 

ファイアウォールやIPSとの違い

WAFは、ファイアウォール(FW)や不正侵入防御システム(IPS)とは守る対象と防御レイヤーが異なります。ファイアウォールはネットワーク層で通信の出入りを制御し、IPSは不正アクセスを検知・遮断することでOSやネットワーク全体を保護します。

一方でWAFは、Webアプリケーション層に特化し、HTTPリクエストの内容を精査してSQLインジェクションなどの攻撃を防御します。以下の表は、それぞれの防御範囲と役割の違いを整理したものです。

 

システム WAF ファイアウォール(FW) 不正侵入防御システム(IPS)
防御の対象とレイヤー アプリケーション層(Webアプリケーション) ネットワーク層(ネットワーク全体) ネットワーク層からOS層まで(ネットワーク全体、OSなど)
主な機能 Webアプリケーションの通信内容(HTTPリクエストなど)を細かく検査し、SQLインジェクションなどの脆弱性を狙った攻撃を防御する。 IPアドレスやポート番号といった通信の基本情報に基づき、通信を通過または遮断する。 ネットワークやOSへの不正アクセスを監視し、シグネチャーに基づいて不正な通信を検知・ブロックする。

 

このように、FW・IPS・WAFはそれぞれ異なる層をカバーしており、どれかひとつだけでは防御が不十分な場合があります。各システムの役割を理解し、これらを組み合わせた多層防御を構築することで、より強固で実践的なセキュリティ対策を実現できます。

 

WAFが防御できる主な攻撃手法

Webアプリケーションはユーザー入力を処理する仕組みを持つため、攻撃者にとって格好の標的となります。特にログインページや検索フォームなどは不正アクセスの入口となりやすく、情報漏えいや改ざん被害につながることがあります。代表的な手法は、以下のとおりです。

 

  • SQLインジェクション
    入力欄にSQL文を混入させ、データベースから機密情報を不正取得する攻撃。
  • XSS(クロスサイトスクリプティング)
    不正スクリプトを埋め込み、ユーザーを悪意あるサイトに誘導する攻撃。
  • パスワードリスト攻撃
    流出したID・パスワードを使って、他サイトへの不正ログインを試みる攻撃。
  • ディレクトリトラバーサル
    禁止領域のフォルダへアクセスし、サーバー内部の情報を取得する攻撃。

 

WAFはこれらの攻撃パターンをリアルタイムに検知・遮断し、Webアプリケーション層への侵入を防ぎます。不正アクセスによる被害やサービス停止を防止し、企業の信頼維持にも大きく寄与することにつなげられます。

SQLインジェクションについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

SQLインジェクションとは? 攻撃の仕組みや被害例、対策方法を解説

 

WAFを導入すべき理由

現在、多くのセキュリティソフトやツールの導入が進む中で、WAFが注目されています。ここでは、その理由や背景を紹介していきます。

 

理由①Webアプリケーションを狙う攻撃への対応

Webアプリケーションを狙う攻撃は、近年ますます巧妙化しており、単なる脆弱性の悪用にとどまらず、ユーザーや管理者の行動を巧みに誘導する手口も増加しています。こうした脅威に対し、WAFは通信内容を解析し、不正なリクエストをリアルタイムで遮断することで、防御の最前線を担います。

たとえば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、アプリケーション層で発生する攻撃を検知し、被害を未然に防ぐことが可能です。また、WAFは新たな攻撃パターンに対応するため、ルールやシグネチャーを継続的に更新し、変化する脅威にも迅速に適応します。

その結果、企業はWebサイトの安全性を維持しながら、利用者に安心してサービスを提供し続けることができます。

 

理由②DDoS攻撃への対応

DDoS(分散型サービス拒否)攻撃とは、膨大なリクエストを一斉に送りつけることでサーバーの処理能力を圧迫し、Webサイトを停止に追い込む手法です。WAFは、OSI参照モデルの第7層(アプリケーション層)で動作し、HTTPリクエストの内容や頻度をリアルタイムに分析します。これにより、通常のユーザー行動とは異なる不審なトラフィックを自動的に検知・遮断することができます。

さらに、レート制限(一定時間内のアクセス数の上限設定)やシグネチャールールを活用して特定機能への過剰アクセスを防止し、機械学習やボット検知技術によって悪性ボットによる大量アクセスも高精度に排除します。結果として、WAFはアプリケーション層におけるDDoS攻撃の影響を大幅に軽減し、正規ユーザーのアクセスを維持しながら、Webサイトの可用性と信頼性を確保します。

 

理由③セキュリティコストと運用の最適化

Webサイトのセキュリティ対策を検討する際は、コスト効率や運用負担の最適化も重要な要素です。

そこで注目されているのが、クラウド上で提供されるクラウド型WAFです。従来の機器設置型と異なり、ハードウェアの購入や設置作業が不要なため、初期投資を大幅に抑えることができます。

多くのサービスでは月額制や従量課金制を採用しており、運用費(OPEX)として柔軟なコスト管理が可能です。また、トラフィック量の増減に応じて自動的にスケールする仕組みを備えており、リソースを効率的に活用できます。

さらに、ベンダー側でシグネチャー更新や脆弱性パッチを自動的に適用するため、運用負担を軽減しつつ常に最新の防御状態を維持できます。

 

WAFのおすすめ4製品を紹介!

ここまでWAFについて解説してきましたが、実際にはどのような製品があるのでしょうか。ここでは、おすすめのWAF製品を4つ厳選し、それぞれの特徴を比較しながら紹介します。

 

①攻撃遮断くん

攻撃遮断くんは、株式会社サイバーセキュリティクラウドが提供するクラウド型WAFサービスです。AIと機械学習を活用した攻撃検知エンジン「Cyneural」を搭載し、既知・未知の脅威を高精度に防御可能です。

24時間365日の日本語サポートを提供しており、専門知識がなくても安心して運用できます。月額1万円から利用でき、最短1日で導入可能というスピード感も魅力です。

 

②BLUE Sphere

BLUE Sphereは、株式会社アイロバが提供するクラウド型のWAFサービスです。WAF機能に加えて、DDoS防御・Web改ざん検知・サイバー保険付帯などをワンパッケージで提供しています。

また、1契約で複数ドメインを無制限に保護できる点が大きな特長で、料金は最大通信量ではなく「過去3カ月のデータ転送量合計(アウトバウンドのみ)」に基づく課金方式を採用しています。そのため、コストを抑えながら安定した運用が可能となっています。

 

③SiteGuard

SiteGuardは、EGセキュアソリューションズ株式会社が提供する国産WAFです。クラウド型・ホスト型・ゲートウェイ型の3種類から選べ、システム構成に合わせて柔軟に導入できます。

SQLインジェクションやXSSなどの代表的な攻撃をはじめ、OSコマンドインジェクションなど高度な脅威にも対応可能となっており、あわせてパラメータ検査や国別フィルタなど多彩な機能を搭載しています。迅速なサポート体制もあり、初心者でも扱いやすい点が魅力です。

 

④Cloudbric WAF+

Cloudbric WAF+は、ペンタセキュリティ株式会社が提供するクラウド型のWAF/WAAPソリューションです。WAF機能に加えて、DDoS対策・API保護・ボット対策・不正IP遮断などを統合的に備え、Webアプリケーションを多角的に防御します。

さらに、24時間365日の監視体制と専門家によるマネージド運用が標準で提供されており、セキュリティ人材や技術リソースが不足している企業でも安心して利用できます。月額28,000円から導入可能で、DNS設定の変更のみで短期間で導入を完了できます。

 

まとめ

本記事では、WAFの仕組みや必要性を解説し、主要サービスを比較して、自社に最適なWAF選定のポイントを紹介しました。

Webアプリケーションを取り巻く脅威は年々複雑化しており、もはや「対策をしない」という選択肢はありません。WAFは、SQLインジェクションや不正ログイン、DDoS攻撃など多様な攻撃からWebサイトを守る強力な防御手段です。

特にクラウド型サービスの普及により、専門知識がなくても短期間で導入できる環境が整っています。自社の規模やサイト構成に合ったWAFを選定することで、コストを抑えながらも高いセキュリティを実現できます。Webサイトを安全に運用し、信頼されるオンライン環境を維持するためにも、早期のWAF導入を検討することが重要です。

waap

WAAPとは?次世代Web防御の仕組みとWAFからの進化を徹底解説

近年、APIやクラウドサービスの普及により、Web攻撃の多様化が進んでいます。従来のWAFでは対応しきれない脅威も増え、より包括的な防御が求められるようになりました。

こうした課題を解決する次世代ソリューションが「WAAP(Web Application and API Protection)」です。この記事では、WAAPの仕組みやWAFとの違い、導入のメリットを解説します。

 

WAAPとは

近年、Webアプリケーションを狙うサイバー攻撃はますます巧妙化し、従来のWAF(Web Application Firewall)だけでは防ぎきれないケースが増えています。特に、スマートフォンアプリや企業間連携で利用されるAPI通信を悪用した不正アクセスや情報漏えい、ボットによる自動化攻撃、さらにはDDoS攻撃など、アプリ層を狙う脅威が多様化しています。

こうした背景から、米ガートナー社が提唱した概念が「WAAP(Web Application and API Protection)」です。WAAPはWAFの機能に加え、API保護・悪性ボット対策・DDoS防御を統合した次世代のWebセキュリティソリューションで、クラウド時代における標準的な防御基盤として注目を集めています。

 

WAFとの違い

WAFは、Webアプリケーションへの不正な通信を検知・遮断するためのセキュリティ対策で、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった代表的な攻撃から守る役割を担います。

しかし、従来型のWAFではHTTP通信の一部しか解析できず、APIやボット、DDoSなど多様化する脅威には十分対応できない場合があります。これに対してWAAPは、WAFの機能を発展させ、API保護・ぼボット対策・DDoS防御を統合した包括的な防御を実現します。

つまり、WAFが「Webアプリ中心の防御」なら、WAAPは「アプリとAPIを一体で守る次世代統合防御」が特徴です。

 

WAAPの主な機能

WAAPは、WebアプリケーションとAPIを一体的に守るための多機能なセキュリティソリューションです。WAF・API保護・ボット対策・DDoS防御といった複数の防御機能を統合し、アプリ層からネットワーク層までを包括的に保護します。ここでは、WAAPを支える4つの主要機能について紹介します。

 

機能①WAF

WAAPの中核機能を担う機能にWAFがあります。WAFは主にWebアプリケーション層を対象とし、攻撃者による不正なリクエストや脆弱性の悪用をリアルタイムで検知・遮断します。

代表的な攻撃として、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などが挙げられ、WAFはこれらの脅威からWebサイトを守る重要な役割を果たします。また、通信内容を継続的に分析して異常を検出し、ログ記録によって攻撃傾向を可視化することも可能です。WAAP全体の「第一の防波堤」として、API保護やボット対策、DDoS防御と連携し、より強固で多層的な防御を実現します。

WAFについては以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

セキュリティ対策に有効なWAFとは?仕組みや種類、おすすめ製品を紹介

 

機能②APIの保護

近年のシステム連携やモバイルアプリ開発では、APIを介した通信が欠かせません。WAAPでは、こうしたAPI通信を保護する機能を標準で備えており、不正アクセスや情報漏えいを防ぐ重要な役割を担います。

具体的には、APIの呼び出し内容やリクエストパラメータを詳細に解析し、不正トークンの利用や認証回避などの異常な挙動をリアルタイムで検知・遮断します。また、OpenAPIなどを活用してAPI構造を自動的に把握し、想定外のアクセスをブロックすることも可能です。

これにより、安全なデータ連携と安定したサービス運用を支え、WebアプリとAPIを一体的に守る基盤として機能します。

 

機能③ボット対策

近年、悪性ボットによる被害が急増しており、認証突破やアカウント乗っ取り、チケットや商品の自動購入といった不正行為が問題となっています。従来のアクセス制御では防ぎきれないAI搭載型ボットや分散型ボットネットも増え、Webサービスの安定稼働を脅かす要因となっています。

ボット対策機能としては、ユーザーエージェントや行動パターン、アクセス頻度などを解析し、悪性Botを識別します。そして、検出後は自動的にブロックやレート制限、CAPTCHA表示などを実行します。

これにより、正規ユーザーの利便性を損なうことなく、サービス品質とセキュリティを両立します。

 

機能④DDoS攻撃対策

DDoS(分散型サービス拒否)攻撃は、複数の端末から大量のリクエストを同時に送りつけ、サーバーやネットワークを過負荷状態にして停止させる攻撃手法です。近年では、クラウド環境やAPI通信を標的とした高度なL7(アプリケーション層)攻撃が増加しており、従来のネットワーク防御だけでは対応が難しくなっています。

DDoS対策機能としては、通常の通信と攻撃トラフィックをリアルタイムで識別し、異常なリクエストを自動的に遮断します。これにより、クラウド上のスクラビングセンターで不要な通信を除去し、正規のアクセスのみを通過させることが可能です。

この仕組みにより、攻撃を受けてもWebサービスを安定して稼働させることができ、企業の信頼性維持とビジネスの継続性を確保します。

DDoS攻撃への対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

DDoS攻撃の種類と企業がとるべき有効な対策とは?

 

WAAP導入のメリット

WAAPを導入することで、企業は単なる攻撃防御にとどまらず、運用効率や可用性の向上といった多面的な効果を得られます。多層防御による強固なセキュリティ、統合管理による運用の効率化、不正アクセスの防止、そしてビジネス継続性の確保まで、幅広いメリットが期待できます。ここでは、その主な効果を順に紹介します。

 

メリット①多層防御による高いセキュリティ

サイバー攻撃は年々高度化・多様化しており、WAFやIPSなど単一の防御策だけでは十分に対処できません。特にAPIの不正利用やボットによる自動攻撃、DDoS攻撃など、複数層を同時に狙う攻撃が増えています。

WAAPは、WAF・API保護・ボット対策・DDoS防御を統合的に運用し、多層的なセキュリティを実現可能です。アプリケーション層からネットワーク層まで一貫して監視し、攻撃経路や影響を最小限に抑えられます。これにより、企業は強固で持続的な防御体制を維持できます。

 

メリット②運用の効率化

クラウドやAPIの普及により、企業のセキュリティ運用は複雑化し、担当者の負担が増しています。WAFやDDoS、ボット対策を個別に管理すると工数がかさみ、限られた人員では対応が困難です。

WAAPはこれらの防御機能を統合し、単一画面で一元管理を実現します。脅威検知やルール更新を自動化することで、作業負荷とミスを抑えます。これにより、少人数でも効率的にセキュリティを維持し、運用コスト削減と防御力強化を両立します。

 

メリット③不正アクセスの防止

不正ログインや情報搾取などの攻撃は、パスワードリストやセッション乗っ取りなど手口が巧妙化しています。API経由の不正リクエストやボットによる自動攻撃も増加し、従来の単一対策では防ぎきれません。

WAAPは、WAFによる検査に加え、API保護・ボット対策・DDoS防御を連携させ、多層的に防御します。不審な通信をリアルタイムで遮断し、不正ログインや情報漏えいのリスクを大幅に低減することが可能です。これにより、安全で信頼性の高いアクセス環境を実現します。

 

メリット④ビジネス継続性の確保

多くの企業がクラウドやオンラインサービスに依存する今、システム停止は収益損失や信用低下に直結する重大リスクとなっています。DDoS攻撃やAPIの不正利用による障害でも、顧客離脱や業務中断を招く恐れがあります。

WAAPは、WAF・API保護・ボット対策・DDoS防御を連携させ、攻撃時でもサービスを継続できる体制を構築します。自動スケーリングやトラフィック制御により、アクセス集中時も安定稼働を実現し、可用性・信頼性の高いシステム運用を支えます。

 

WAAPを選ぶポイント

WAAPを導入する際は、単に機能の多さだけでなく、防御性能や運用性、信頼性といった総合的な視点から比較・検討することが重要です。ここでは、導入前に確認すべき3つのポイントとして「セキュリティ機能と性能」「運用コストと管理のしやすさ」「市場での評価」について解説します。

 

ポイント①セキュリティ機能と性能

企業のWebサービスは、多層的な脅威に常に晒されています。そのためWAAPを選ぶ際は、機能の有無だけでなく「どの程度の攻撃に耐えられるか」という性能面を重視することが重要です。

防御力が高くても、遅延や誤検知が多ければユーザー体験を損ないます。理想的なWAAPは、防御範囲と検知精度を両立し、ログ可視化や自動更新など運用面でも優れていることが求められます。これにより、セキュリティとパフォーマンスの両立を実現し、安定したサービス運用を支えます。

 

ポイント②運用コストと管理のしやすさ

マルチクラウド化やAPI活用の拡大により、企業のセキュリティ運用は複雑化しています。WAFやボット対策を個別に導入すると、運用や監視にかかる負担とコストが増します。

WAAPはこれらを統合管理でき、単一画面で設定・監視・分析が可能です。脅威検知やルール更新の自動化、24時間監視などのサポートを備えたサービスを選べば、担当者の負荷を大幅に軽減できます。少人数でも効率的に運用でき、コストを抑えつつ継続的なセキュリティ強化を実現します。

 

ポイント③市場の評価

WAAP市場は急速に拡大しており、各ベンダーが多様な機能を提供しています。しかし導入を検討する際は、機能だけでなく「実績」や「第三者評価」といった信頼性の指標も重要です。

特に米ガートナー社などの調査機関による評価レポートは、製品の性能や運用性を多角的に分析しており、選定時の有力な判断材料となります。こうした客観的な評価や導入実績を確認することで、自社に最適なWAAPを安心して導入し、長期的な信頼性を確保できます。

 

まとめ

近年のWebセキュリティ対策では、攻撃を「防ぐ」だけでなく「止まらないサービス」を維持することが重要視されています。WAAPはその実現を支える次世代の統合防御基盤ですが、導入にあたっては信頼性と実績を備えたソリューションを選ぶことが鍵です。

Cloudbricが提供する「Cloudbric WAF+」は、WAF・DDoS攻撃対策・ボット対策・API保護を統合したクラウド型セキュリティサービス で、AIによる自動検知と最適化を行い、ゼロデイ攻撃や未知の脅威にも対応します。さらに、ガートナー社による「Representative Providers」にも選出された実績を持ち、グローバルでも高い評価を得ています。

専門的な知識がなくても導入・運用が容易であり、中小企業から大企業まで幅広い業種で活用されています。Webサイトからお気軽にお問い合わせください。

Cyberattack-Case-Studies

【2025年最新】国内外のサイバー攻撃事例10選!対策方法も紹介

 

テクノロジーの進化に伴いサイバー攻撃の手口も巧妙化し、国内外の企業を脅かす事例が後を絶ちません。企業がサイバー攻撃の被害を防ぐためには、実際の攻撃事例から学び、適切な対策を講じることが不可欠です。

本記事では、2025年最新の国内外におけるサイバー攻撃事例を10件取り上げ、そこから見えるリスクと具体的な防止策を解説します。自社のセキュリティ体制を点検・強化する一助として、ぜひご活用ください。

 

【2025年最新】日本企業におけるサイバー攻撃の被害事例8選

近年、日本企業へ特に深刻な被害をもたらしているサイバー攻撃が「ランサムウェア」です。ランサムウェアとは身代金要求型ウイルスのことで、他者のデータを暗号化して使用不可にし、元に戻すために金銭などを要求します。

ここからはランサムウェア攻撃を中心に、国内で最近発生したサイバー攻撃の被害事例を8件ご紹介します。

 

事例①保険見直し本舗:ランサムウェア攻撃による情報漏えい

大手保険代理店「保険見直し本舗」の運営会社がランサムウェア攻撃を受け、契約者の氏名・住所・電話番号等について最大で約510万件の個人情報に漏えい等のおそれが生じたと公表しました。同社は社内システムの一部で暗号化被害を確認し、速やかにネットワーク分離等を実施。クレジットカード等の決済関連情報は保存対象外で、含まれていないと説明しています。その後の最終報では(2025年8月時点)、外部流出の痕跡は確認されていない旨を公表しています。

 

事例②近鉄エクスプレス:ランサムウェア攻撃による大規模な物流停止

大手物流企業「近鉄エクスプレス」では、基幹システムへの不正アクセスを端緒とするランサムウェア攻撃によりサーバー障害が発生し、一部業務に遅延・停止を含む広範な影響が生じました。同社は緊急対策本部を設置し、外部専門家と連携して復旧対応を数日間にわたり段階的に進めました。攻撃の影響は取引先にも及び、サプライチェーン全体へのリスクが顕在化しました。

ランサムウェアへの対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

「ランサムウェア対策の重要性と具体的な対策方法とは?対処法も紹介」

 

事例③レゾナック:ランサムウェア攻撃によるファイル改ざん

大手化学工業会社「レゾナック」でもランサムウェア攻撃によるサーバー障害が発生し、一部端末でファイル改ざんが確認されました。感染拡大防止のためネットワーク遮断等を実施した結果、社内業務に支障が生じています。第三者調査等の結果、取引先を含む外部ネットワークへの感染拡大や重大な外部へのデータ送信は確認されていないと説明しています。

 

事例④東海大学:ランサムウェア攻撃によるネットワーク停止

東海大学では、学内ネットワークへの不正アクセスを経てランサムウェア攻撃を受け、学内の認証基盤やWebコンテンツの一部が暗号化されました。被害拡大防止のためインターネット接続を遮断し、外部のセキュリティ機関と連携して復旧を進めました。現時点で暗号化データの外部流出は確認されていないとしています。

 

事例⑤宇都宮セントラルクリニック:ランサムウェア攻撃による情報漏えい

宇都宮セントラルクリニックのサーバーがランサムウェア攻撃を受け、患者・医療関係者に関する最大約30万件の個人情報に漏えいの可能性が生じました。対策としてネットワーク遮断等を実施し、電子カルテ等の院内システムが一時的に利用不可となりました。金融機関情報やマイナンバー情報は当該サーバーに保存しておらず、不正利用も確認されていないと説明しています。

 

事例⑥快活CLUB:DDoS攻撃によるネットワーク障害

大手ネットカフェ「快活CLUB」では、DDoS攻撃によりネットワーク障害が発生し、ネットワーク通信をともなう会員アプリ機能が一時的に大幅制限されました。DDoSは侵入を伴わずにサービス妨害を引き起こすため、不審通信の検知・遮断体制の強化が重要です。

 

事例⑦tenki.jp:DDoS攻撃によるアクセス障害

天気予報サイト「tenki.jp」は複数回のDDoS攻撃を受け、一時的にWebページの閲覧が困難になりました。交通等への影響が懸念される気象状況下での情報制限は、利用者に不便と不安を与える結果となりました。

DDoS攻撃については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

「DDoS攻撃の種類と企業がとるべき効な対策とは?」

 

事例⑧アサヒグループHD:DDoS攻撃によるアクセス障害

多数の飲料ブランドを擁する企業グループ「アサヒグループホールディングス」は、ランサムウェア攻撃を受けてシステム障害が発生し、受注・出荷業務に大きな影響が生じました。攻撃を仕掛けたのはロシアを拠点とするランサムウェアグループ「Qilin(キリン)」とされ、最大で191万件の個人情報漏えいの可能性があるとのことです。システムは12月から復旧の見通しですが、原因の調査や今後の対策については引き続き注視する必要があります。

アサヒグループホールディングスのサイバー攻撃については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

アサヒグループHDが受けたサイバー攻撃の概要~企業が取るべき対策についても解説~

 

【2025年最新】海外企業におけるサイバー攻撃の被害事例3選

サイバー攻撃の脅威にさらされているのは、日本企業だけではありません。ここからは、海外で発生したサイバー攻撃の被害事例を3件ご紹介します。

 

事例⑨オラクル:不正アクセスによる情報漏えいの疑い

米国の大手クラウドプロバイダーであるオラクル社について、攻撃者側が「ダークウェブにおいて、約600万件の認証情報を窃取した」と主張し、複数メディアで報じられました。一方で、同社はこうした主張の一部を否定しており、被害の有無・範囲は現時点で確定していません。

 

事例⑩ユナイテッド・ナチュラルフーズ:サプライチェーン攻撃による大規模な物流混乱

米国の大手食品流通業者UNFIがサイバー攻撃を受け、物流システムの一部が停止。これにより注文処理や配送業務に支障が生じ、広域の物流拠点へ影響が波及しました。サプライチェーンのデジタル依存度が高いほど、単一点の障害が全体へ連鎖するリスクが高まります。

サプライチェーンのセキュリティについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

「サプライチェーン攻撃とは? 攻撃方法やその対策を紹介」

 

事例⑪マンパワー:ランサムウェア攻撃による情報漏えい

米国の人材派遣会社マンパワーはランサムウェア攻撃を受け、約14万件超の個人情報に関する侵害通知を実施しました。侵害期間は2024年末〜2025年初頭にわたり、複数のファイルが盗まれたと確認されています。犯行グループは自サイト上で内部データの一部を公開したと主張しており、データ暗号化に加えて情報公開リスクがあることが示されました。

 

企業がサイバー攻撃による被害を防ぐ方法

サイバー攻撃は、企業のサービスや経営に多大な影響を及ぼします。そのような事態を防ぐためには、セキュリティ体制を見直し、適切な対策を講じることが大切です。

ここでは、企業がサイバー攻撃による被害を防ぐための3つの方法をご紹介します。

 

方法①脆弱性診断を実施する

企業のシステムやWebサイトに対しては、定期的に「脆弱性診断」を実施しましょう。脆弱性診断とは、ソフトウェアに潜む脆弱性(セキュリティ上の弱点)を、専門家や専用ツールを通して調べる作業のことです。

放置された脆弱性は、攻撃者による侵入経路や攻撃の起点となりかねません。たとえば、ユーザーから送られた入力データの処理が不適切だと、攻撃者に不正な命令を送信され、システムが誤作動するリスクが生じます。

定期的に脆弱性診断を行えば、こうした脆弱性を事前に検出できます。問題が見つかった場合は、修正や運用改善を通してリスクを低減することが可能です。

 

方法②セキュリティを常に最新の状態に保つ

ソフトウェアやハードウェアのセキュリティは、常に最新の状態に保つことを心がけましょう。攻撃者は日々、新たな攻撃の手口を試みます。新たなサイバー攻撃が登場すれば、従来のセキュリティ対策では不十分になるでしょう。

ソフトウェアやハードウェアを提供する企業は、新たに判明した脅威に対して対策を講じ、パッチ(修正プログラム)を提供します。こうしたアップデートを速やかに適用すれば、新たな脅威からシステムを防御できる可能性が高まります。

 

方法③WAFを活用する

サイバー攻撃の多くは、インターネットを介して外部から行われます。こうした脅威に対処する手段として、WAF(Web Application Firewall)の導入が有効です。WAFは、WebサイトやWebアプリに届く通信を監視し、不正なリクエストを自動で遮断します。そのため、インターネット経由の攻撃リスクを大幅に低減することが可能です。

WAFについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

「セキュリティ対策に有効なWAFとは?仕組みや種類、おすすめ製品を紹介」

 

クラウド型WAFなら「Cloudbric WAF+」がおすすめ

サイバー攻撃の対策として有効なWAFには、ソフトウェアを導入するタイプや、専用機器を設置するタイプがあります。これらは初期費用や維持管理の負担が大きく、中小企業には導入しづらい面も否めません。

より手軽に導入したい場合は、インターネットを通して利用できるクラウド型のWAFがおすすめです。なかでも、おすすめの「Cloudbric WAF+」は、一般的なWAFの基本機能に加え、下記のように多彩な機能を標準で備えています。

 

  • AIを活用した高精度な攻撃検知
  • 最大40Gbpsまで対応するDDoS攻撃対策
  • 無料で自動更新されるSSL証明書の提供
  • 脅威情報に基づくIP・悪性ボットの遮断
  • 専門家による導入・運用サポート

 

セキュリティ強化と運用の手軽さを両立したCloudbric WAF+は、初めてWAFを導入する企業にも適した選択肢といえます。Webサイトやサービスを守るために、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

サイバー攻撃による被害は国内外で増加しており、企業や組織にとって無視できない脅威となっています。被害を防ぐためには、事例から学びを得ながら適切なセキュリティ対策を実践することが重要です。

脆弱性診断の実施やWAFの活用など、今回紹介した方法を取り入れると安心につながります。特に、クラウド型WAFの導入を検討している企業には、多彩な機能と信頼性の高いサポートを兼ね備えた「Cloudbric WAF+」が有力な選択肢と言えるでしょう。

 

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