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サイバー攻撃をリアルタイムで知る可視化ツールやクラウド型WAFを紹介

サイバー攻撃は年々巧妙化しており、企業にとって深刻な脅威となっています。情報漏えいやシステム停止など、その被害は計り知れません。また、攻撃を受けたことに気づくのが遅く、被害が拡大してしまうケースも見られます。

そこで本記事では、サイバー攻撃のリアルタイム可視化を実現するツールと、クラウド型WAFについて紹介します。これらのツールを活用することで、攻撃の早期発見・早期対応が可能になり、被害を最小限に抑えることが可能です。

 

サイバー攻撃の状況をリアルタイムで知る必要性

サイバー攻撃とは、インターネットを介してコンピュータシステムやネットワークに不正侵入し、情報を窃取したり、システムを破壊したり、乗っ取ったりする犯罪行為のことです。代表的な攻撃方法としては、以下のようなものがあります。

  • DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃:大量のデータを送りつけることで、サーバーやネットワークをダウンさせる攻撃
  • マルウェア攻撃:ウイルスやワームなどの悪意あるプログラムを仕込んで、システムを乗っ取る攻撃
  • ボットネット:不正にハッキングされた多数のコンピュータを遠隔操作し、攻撃を実行するネットワーク

従来のセキュリティ対策では、攻撃を受けたあとにログを分析して、被害状況を把握するケースが一般的でした。しかし、巧妙な攻撃の場合、ログだけでは攻撃の全容を把握することが難しく、被害が拡大してしまう可能性があります。そこで重要となるのが、サイバー攻撃の状況をリアルタイムで可視化することです。

可視化ツールを活用することで、攻撃の種別やターゲットとなっている国・地域を把握し、的確な対策を講じることが可能です。また、脅威の状況を視覚的にわかりやすく表示することで、一般の社員への注意喚起にも役立ちます。

以下の記事で、サイバー攻撃について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2023年のサイバー攻撃における代表的な事例や被害額まとめ

 

サイバー攻撃をリアルタイムで見る可視化ツール

リアルタイム可視化ツールには、さまざまな種類があります。代表的な種類としては、以下のようなものがあります。

 

・NICTER Atlas

NICTER Atlasは、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)が開発・提供する、ダークネットにおけるサイバー攻撃の状況をリアルタイムで可視化できるツールです。ダークネットとは、一般のインターネットユーザーからアクセスできない、匿名性の高いネットワークのことを指します。

NICTER Atlasでは、攻撃の状況をリアルタイムで可視化し、世界地図上でアニメーションとして表示することで、攻撃の動きを直感的に理解できます。利用者は攻撃の発生源、規模、対象、使用された手法など、さまざまな視点から分析を行うことが可能です。これにより、セキュリティやネットワーク管理の専門家は、迅速かつ効果的な対応を行うための貴重な情報を得られます。

https://www.nicter.jp/atlas

 

・Digital Attack Map

Digital Attack Mapは、Google IdeasとArbor Networksが共同で開発・運営している、世界中のDDoS攻撃のリアルタイムデータを可視化したツールです。

Digital Attack Mapは、世界中のリアルタイムのDDoS攻撃を地図上で視覚化し、具体的な攻撃の開始時間、終了時間、攻撃の種類、および標的となった組織に関する情報を詳細に分析できます。また、特定の国や地域の攻撃状況を把握し、地域ごとのセキュリティ対策の評価に役立ちます。

https://www.digitalattackmap.com/

 

・CYBERTHREAT REAL-TIME MAP

CYBERTHREAT REAL-TIME MAPは、ロシアのセキュリティ企業であるKaspersky Labが運営するツールです。このツールでは、世界中でカスペルスキー製品によって検知されたサイバー攻撃を、リアルタイムで地図上に色分けして表示します。利用者は直感的に、どの国で、どんな種類の攻撃が行われているかを把握できます。また、国ごとに本日のサイバー攻撃のランキングを確認でき、過去1週間と過去1ヵ月の期間で全地域と国別の攻撃検知数や種類を比較・分析することも可能です。

https://cybermap.kaspersky.com/ja

 

・IBM X-Force Exchange

IBM X-Force Exchangeは、IBMが運営するセキュリティ情報共有プラットフォームです。このプラットフォームでは、最新の世界中のセキュリティ脅威をダッシュボード上に表示し、その情報を共有・調査し、ほかのチームと協力して対処できます。IBMの研究に基づいた情報を活用することで、セキュリティ対策を強化し、サイバー攻撃や問題が発生した際に迅速に対応することが可能です。

https://exchange.xforce.ibmcloud.com/activity/map

 

・Cloudbric Labs

毎日更新される脅威情報リストが見られるCloudbric LabsというWebサイトもあります。このサイトのThreat DBでは、56カ国65万あまりのサイトから収集された悪意のあるIPアドレスのリストを確認できます。また、ハッカーのウォレットアドレスやフィッシングサイトのURLもチェックできます。このデータベースに情報を提供したユーザーは、Cloudbricのセキュリティアナリストによる検証後、CLBKトークンを報酬として受け取れます。これらの脅威データをシステムに統合するためのAPIも提供され、セキュリティ対策を強化できます。

 

・クラウド型WAF:Cloudbric WAF+

サイバー攻撃をリアルタイムで監視する方法として、クラウド型WAFを利用する方法もあります。クラウド型WAFは、インターネットを通じて提供されるWebアプリケーションファイアウォールで、Webアプリケーションをサイバー攻撃から守ります。

Cloudbric WAF+を導入すると、Webトラフィックや攻撃の状況をリアルタイムに確認できるダッシュボードが利用可能です。このダッシュボードでは、国別攻撃現況、Webサイト訪問者数、攻撃者のIPアドレス、攻撃の種類、攻撃件数などを確認でき、企業はセキュリティ状況を常に把握し、迅速に対応できます。

 

クラウド型WAFなら「Cloudbric WAF+」

クラウド型WAFを選ぶなら「Cloudbric WAF+」がおすすめです。セキュリティの専門家が社内にいなくても運用できるため、企業にとって導入が容易です。

Cloudbric WAF+は、悪性ボットの遮断、DDoS攻撃対策、脅威IPの遮断など、多様なセキュリティサービスを提供しています。これにより、企業は高度なセキュリティ対策を実現し、サイバー攻撃からWebアプリケーションを効果的に保護できます。また、リアルタイムでの監視や迅速な対応が可能となり、セキュリティ運用の効率化が図れます。

Cloudbric WAF+

 

まとめ

サイバー攻撃の脅威は日々増しており、従来のセキュリティ対策だけではもはや不十分です。可視化ツールとクラウドWAFを導入することで、リアルタイムでの攻撃状況把握と迅速な対応が可能になり、Webアプリケーションをより安全に保護できます。これらのツールを活用し、企業の情報資産を確実に守りましょう。

 

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malware

マルウェア感染の確認方法と即時対処法ガイド

マルウェア感染の確認方法などを把握しておくことは、企業のセキュリティ面において非常に重要です。もしマルウェアに感染してしまったら、企業として多大な被害が出る恐れがあり、信頼喪失にもつながります。そこで本記事では、マルウェア感染の確認方法や感染時の症状、対策などをまとめました。自社で対策が取れているか改めてチェックを行い、マルウェアの感染予防に効果的なソフトウェアの導入も検討しましょう。

 

マルウェア感染したときの症状

マルウェアに感染した場合、マルウェアがデバイス内で勝手に挙動を始めます。以下の症状が見られたら、マルウェアに感染しているかもしれません。

  • デバイスの動作が遅くなる
  • デバイスが勝手にシャットダウンする
  • デバイスが起動しなくなる
  • 見慣れないファイルやプログラムが出現する
  • アプリが勝手に動作する
  • 知らないアプリがインストールされている
  • 身に覚えのないメール送信履歴がある
  • 勝手にデータ通信量が増えている

 

マルウェア感染の被害

マルウェア感染が企業に与える影響は重大で、主に以下のような被害に遭う可能性があります。

  • ファイルが改ざんされる
  • データ復旧などを条件に身代金を要求される
  • デバイスをロックされる
  • 外部に情報が送られる
  • デバイスを乗っ取られ、ほかのサイバー攻撃に利用される
  • 個人情報や企業の機密情報を流出させられる
  • 企業の信頼が損失する
  • 復旧や損害対応に費用がかかる

 

マルウェア感染の確認方法

マルウェア感染が疑われる場合、早急な対策が必要です。まずは以下の確認方法を試してみてください。

 

・セキュリティソフトによるスキャン

セキュリティソフトでPC全体をスキャンします。一般的なセキュリティソフトには、PC全体をスキャンしてマルウェアに感染していないかチェックする機能があります。

 

・タスクマネージャーやイベントビューアーの確認

タスクマネージャーから、実行中のプロセス一覧を確認するのも方法のひとつです。また、イベントログ一覧が見られるイベントビューアーからも、ファイルのアクセス、プログラムの実行が確認できます。不審な動作がないか調べてみてください。

 

・オンラインウイルススキャン

不審なファイルがあったら、オンラインのファイルスキャンサービスを利用し、マルウェアに感染していないかチェックしましょう。

オンラインウイルススキャンは、マルウェアの駆除機能までは搭載されていないタイプもあります。オンラインウイルススキャンだけではなく、セキュリティソフトと併用しましょう。

 

マルウェアに感染したときの対処法

マルウェアに感染した場合、迅速な対応が必要となるため、セキュリティソフトを使いましょう。以下の順番で対応してください。

 

・1.ネットワークからデバイスを隔離

マルウェアに感染したデバイスをそのままにすると、ほかのサーバーやデバイスにまで感染が拡大します。感染したデバイスは、必ずインターネットの接続を切り、隔離してください。

 

・2.原因や感染範囲を特定

マルウェア感染の原因や感染範囲の広さによって対策が変わるため、原因や感染範囲の特定が必要です。

 

・3.マルウェアを駆除

セキュリティソフトを使ってマルウェアを駆除します。セキュリティソフトは日々更新されており、最新のマルウェアにも対応可能です。

 

・4.通報

サイバー犯罪の可能性があるため、警察に通報してください。また、自社と関連のある企業にも連絡し、さらなる被害の発生を防ぎましょう。

 

・5.復旧

駆除をしてもマルウェアが残ってしまうことがあるため、OSを再インストールするのが最も安全です。

 

マルウェア感染の主な経路と防護柵

マルウェアが侵入する経路を把握しておけば、感染を防止できます。よくある感染経路としては、以下が挙げられます。

 

・メール経由

不正なメールを送信し、添付ファイルやリンクを開かせて感染させる手口です。正規のメールになりすます手口もあります。なりすましメールを開いてマルウェアに感染し、個人情報流出などの被害が出た事例も報告されているため、メールの取り扱いには注意しましょう。

対策方法は、「不審なメールを開かない」「添付ファイルをスキャンし、安全かどうか確かめる」「メール送信者に、メールを送信したか確認する」などです。

不正なメールによるマルウェア感染の事例については、こちらもご覧ください。

マルウェア『IcedID(アイスドアイディー)』の攻撃が本格化!Webサイト改ざんに要注意

 

・Webサイト

攻撃者がWebサイトを改ざんし、アクセスした人をマルウェアに感染させ、クレジットカード情報などの個人情報を抜き取る手口もあります。

正規のサイトであっても、脆弱性があると攻撃者がマルウェア感染するよう仕込むことが可能です。そのため、正規のサイトにアクセスしても、マルウェアに感染することがあります。

対策としては、セキュリティソフト・OS・ブラウザを最新の状態に保つなどがあります。

 

マルウェアの主な種類とその特徴

マルウェアにはいくつか種類がありますが、主要なものは以下の3つです。

 

・トロイの木馬

寄生先は不要で、正規のファイルやプログラムを装いデバイス内に侵入するため、感染に気づきにくいのが特徴です。具体的な被害としては、個人情報の抜き取りなどがあります。

 

・ワーム

自己増殖し、感染範囲を広げていくのが特徴です。増殖することでデバイスに負荷をかけ、デバイスを使用できない状態にします。

 

・ランサムウェア

WordやExcelに寄生し、自己増殖します。ファイルの暗号化やデバイスのロックをし、復旧を条件に身代金を要求するのが主な手口です。

 

最新のマルウェア動向と新たな脅威

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公表した「情報セキュリティ10大脅威 2024」によると、組織における10大脅威の第1位は「ランサムウェアによる被害」でした。

参照元:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「情報セキュリティ10大脅威 2024

また、近年の動向としてはファイルレスマルウェアや、IoT機器を攻撃するマルウェアなども生まれています。特にファイルレスマルウェアは、従来のマルウェアと攻撃方法は同じですが、ファイルを削除するため感染に気づきにくい特徴があります。日々巧妙化するサイバー攻撃から企業の情報資産を守るためにも、こうした新たな脅威に対する知識や対策が必要です。

 

まとめ

マルウェアはさまざまな経路でデバイスに感染し、企業に被害をもたらします。日頃から、セキュリティソフト・OS・ブラウザを最新の状態にするなどの対策が必要です。

しかし、万が一マルウェア感染した場合は、早期発見と迅速な対処が必要です。「Cloudbric WAF+」は、セキュリティの専門家でなくとも運用しやすい、企業向けのセキュリティ対策プラットフォームです。

日々脅威を増すマルウェアの感染対策として、「Cloudbric WAF+」の導入をぜひご検討ください。

 

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ransomware

ランサムウェア対策の重要性と具体的な対策方法とは?対処法も紹介

データやシステムを人質にとって身代金を要求するランサムウェアは、現代の企業にとって最も警戒すべきサイバー攻撃のひとつです。では、ランサムウェアへの感染を防ぐにはどのような対策を講じればいいのでしょうか。また、万一ランサムウェアに感染してしまったら、どのように対処すればいいのでしょうか。本記事では、ランサムウェア対策の予防対策や感染時の対処方法について解説します。

 

ランサムウェア対策の重要性

ランサムウェアとは、感染したパソコンやサーバーを使用不能にし、その復旧と引き換えに金銭を要求する不正プログラムです。ランサムウェアには主に以下の3種類があります。

  • 暗号化型:データを暗号化して使用不能にするタイプ
  • 画面ロック型:デバイスの画面をロックして使用不能にするタイプ
  • 漏えい型:盗んだデータを流出させると脅迫するタイプ

現代のビジネスにおいて、ITの活用は欠かせません。システムやデータにアクセスできなくなれば、業務が停滞し、多大な経済的損失や社会的信用の失墜を招く恐れがあります。したがって、ランサムウェアの予防・復旧対策を講じておくことは、企業にとって非常に重要です。

ランサムウェアの基本的な情報や被害事例については、以下のリンク先をご参照ください。

盲点を突いてくるランサムウェアの脅威認知と企業での対応策を解説

企業を狙ったランサムウェア攻撃から学ぶ、企業に必要なセキュリティ対策

 

ランサムウェア対策の具体的な方法

ランサムウェアへの感染を予防したり、万一の被害を軽減したりするためには以下の対策が有効です。

 

・安易にリンクのクリック・ファイルダウンロードを行わない

まずは信頼できないサイトを訪問したり、不用意にリンクのクリックやファイルダウンロードを行ったりしないことが重要です。信頼できないサイトとは一般に、セキュリティ証明がないサイトや、URLが「https~」で始まらないサイトなどが挙げられます。

こうしたサイトを訪問したり、リンクのクリックやファイルのダウンロードをしたりすると、そこからランサムウェアに感染してしまう恐れがあります。こうしたリスクを軽減するには、URLフィルタリングなどの活用が有効です。

 

・メールフィルタリングを活用し、不審なメールや添付ファイルを開かない

多くのメールサービスには、スパムメールやフィッシングメールを自動で検出し、受信トレイに届かないようにするフィルタリング機能が備わっています。こうした機能を使えば、危険なメールの多くを防ぐことが可能です。

とはいえ、危険なメールがフィルタリングをすり抜けてしまうリスクもゼロではありません。送信者に心当たりのない場合や文面に不自然な点がある場合などは、メールや添付ファイル、リンクなどを開かないようにしましょう。

詳しくはこちらをご覧ください。

なりすましメールとは? ランサムウェア被害を受けないための対策方法について解説

 

・ソフトウェアとOSをアップデートして最新の状態に保つ

ソフトウェアやOSの脆弱性を狙った攻撃を防ぐために、それらを常に最新の状態に保つことが重要です。セキュリティパッチやアップデートには、既知の脆弱性を修正するための重要な修正が含まれています。

定期的にソフトウェアやOSの更新を確認し、最新のバージョンを適用することで、ランサムウェアによる攻撃リスクを大幅に低減できます。アップデートを忘れずに実施するためには、自動更新機能を有効にしておくことがおすすめです。

 

・パスワードを複雑なものにし、多要素認証を導入する

システムの乗っ取りを防ぐため、複雑なパスワードを設定しましょう。基本的には、ランダム性が高く、大文字・小文字・数字などを組み合わせた長いパスワードほど破られにくくなります。逆に、「123456」などの単純なパスワードや、辞書に載っている単語は避けましょう。

また、多要素認証(MFA)の導入も有効です。多要素認証とは、パスワードに加えて生体認証やワンタイムパスワードなど、複数の情報を組み合わせた認証方法を指します。現在、主要なクラウドサービスは多要素認証に対応していることが多いので、確認して設定しましょう。あるいは、IAMやIDaaSなどの認証セキュリティツールを導入するのもひとつの手です。

 

・セキュリティ対策ソフトとファイアウォールを導入する

ランサムウェアを検知・駆除するためには、セキュリティ対策ソフトの導入が欠かせません。これらのソフトは、既知のマルウェアを検出し、感染を防ぐ防御機能を備えています。防御力を高めるには、NGAV(次世代アンチウイルス)やEDR(エンドポイント検出・応答)など、最新のセキュリティ対策も併用するのがおすすめです。

ファイアウォールもまた、重要なセキュリティ対策です。ファイアウォールは、ネットワークトラフィックを監視し、許可されていないアクセスをブロックします。社内ネットワークをファイアウォールの内側に置くことで、不正アクセスから守ることが可能です。

 

・ネットワークを監視し、不正アクセスはすぐに遮断する

ネットワークを自動監視するツールの導入もおすすめです。これによって、リアルタイムに不審なトラフィックを検出し、不正アクセスを即座に遮断できるようになります。

こうしたツールの一例として、WAFが挙げられます。WAFはWebアプリケーションの脆弱性を狙う攻撃からの保護に特化したツールで、Webリソースへの攻撃を自動検知し、ブロックすることが可能です。

 

・バックアップを取る

万一、ランサムウェアに感染した場合に備えて、データを定期的にバックアップしておくことも重要です。バックアップする際のポイントとしては、物理的な外付けドライブやクラウドストレージなど、自社のシステムやネットワークから切り離されたところにバックアップすることです。

ネットワークがつながっている場所にバックアップすると、バックアップデータにまでランサムウェアが感染する恐れがあるので注意しましょう。

 

ランサムウェア感染時の対処法と復旧手順

万一ランサムウェアに感染した場合は、慌てて身代金を払うのは避け、以下のように落ち着いて対処することが重要です。

・ネットワークからの感染端末の隔離
まずは他の端末に感染を広げないように、感染端末を確認し、ネットワークから切り離します。

・セキュリティソフトでスキャン
セキュリティソフトで、端末をスキャンして脅威を特定し、問題のあるファイルの削除または隔離を行います。

・暗号化したデータを復号
暗号型のランサムウェアの場合、データを復旧するためにランサムウェア用の復号ツールを使います。

・バックアップからの復旧
ランサムウェアに感染していないバックアップがあれば、それを基に感染以前の状態にデータの復元を行えます。定期的にバックアップを取っておくことで、被害を抑えることが可能です。

攻撃を仕掛けてきた側の脅迫に応じても、データを元通りにできる保証はありません。また、相手が渡してきた復号ツールに別の罠が仕掛けられている恐れもあります。被害に遭った場合、警察に通報しましょう。

 

まとめ

ランサムウェアの被害を防ぐには、「不審なリンクは開かない」といった日頃の注意から、「定期的なバックアップを取る」、「セキュリティツールを導入する」といった技術的なアプローチまで、多様な対策が求められます。また、ランサムウェアの攻撃を防ぐには、不審なトラフィックを自動で遮断する仕組みの構築が有効ですが、これにはWAFの導入が有効です。特に「Cloudbric WAF+」は、ランサムウェアを含めた多種多様なサイバー攻撃から企業のWeb資産を強力に保護できます。ランサムウェア対策の一環として、ぜひ導入をご検討ください。

 

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CWPP

CWPPとは?主な機能や導入のメリットをわかりやすく解説

クラウドサービスの普及に伴って、クラウドワークロードのセキュリティ対策に対するニーズも高まっており、CWPPへの注目が集まっています。本記事では、CWPPの概要や搭載する主な機能、導入によって得られるメリット、効果的な導入方法などについて解説します。最後にCWPPと併用したい、おすすめのWAFサービスも紹介しています。

 

CWPPとは

CWPP(Cloud Workload Protection Platform)とは、クラウドワークロードを監視・保護するためのセキュリティプラットフォームのことです。ワークロードとは、システムなどのリソースにかかる負荷のことであり、クラウドワークロードとは、クラウド上でリソースを消費するサービスやアプリケーションなどのことを指します。CWPPの主な機能には、脆弱性の管理、ネットワークやクラウドシステムの管理・保護、マルウェアや未承認アプリケーションなどの検出・排除といったことがあります。

 

CWPPが注目される背景

クラウドワークロードには具体的に、仮想マシン(VM:Virtual Machine)やIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、コンテナ、サーバーレス環境などが含まれますが、セキュリティ要件はそれぞれで異なります。従来の画一的なセキュリティ対策では、すべてのクラウドワークロードに対して十分な安全を提供することは困難です。

近年では、クラウドサービスの普及が進んだことに伴い、これらを対象にしたサイバー攻撃やセキュリティ事故も増加しています。現在、CWPPが注目されている理由は、クラウド環境で懸念されるセキュリティ上の問題を解決するために必要だからです。

 

CWPPの主な機能

ここでは、主な機能である(1)脆弱性の管理、(2)マルウェアのスキャン、(3)ランタイム保護について解説します。

 

・脆弱性の管理

CWPPは、実行されているアプリケーションやソフトウェアなどを評価し、ワークロードに存在する脆弱性を検出・分析し、管理します。検出された脆弱性に関するレポートを作成してくれるため、事業所内で脆弱性情報を共有することが可能で、迅速なセキュリティ対策を実施できるようになります。

 

・マルウェアのスキャン

クラウドワークロード内をスキャンしてマルウェアを検出するとともに、検出されたマルウェアを自動的に防御・排除する機能も備えています。インフラストラクチャに入る前に排除できるため、悪意ある第三者からのサイバー攻撃の被害を防ぎます。

 

・ランタイム保護

ワークロード実行時(ランタイム)の保護機能も搭載しています。例えば、コンポーネントに含まれる脆弱性やクラウドの設定状況、マルウェアの含有状況などをスキャンし、異常が検知された場合には実行を停止して、クラウドワークロードを保護します。開発チームが作業に集中している間にもエラーを自動的に検出し、修正が必要なことを通知してくれます。

 

CWPPを導入する効果・メリット

CWPPを導入することによって、(1)コンプライアンスの遵守に貢献する、(2)セキュリティ管理の効率化を図れるといったメリットがあります。

 

・コンプライアンスの遵守に役立つ

CWPPには、自社が定めたセキュリティポリシーに準拠してクラウドワークロードが運用されているのか否かを監視し、ポリシー違反が検出された場合に通知する機能があります。さらにサイバーセキュリティ対策として世界中で広く採用されているCIS ControlsやGDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)などのガイドライン・規則への準拠状況を管理する機能もあり、自社のコンプライアンス遵守に大きく貢献します。

 

・セキュリティ管理を効率化できる

CWPPが備えているセキュリティ状況の可視化・分析機能は、セキュリティ管理の効率化にもつながります。仮にリスクが顕在化した場合でも、対策作業に優先順位をつけることで、効率的な修正を実施できます。

 

CWPPを効果的に活用してセキュリティを高める方法

CWPPによってセキュリティを高めるには、導入前にセキュリティ要件を定義することはもちろんですが、インシデント対応の自動化やWAFサービスの併用も有効です。

 

・導入前に企業のセキュリティ要件を定義する

まず、重要なことが、求められるセキュリティ要件を明確にすることです。セキュリティ要件とは例えば、データ保護や自社が設定したセキュリティポリシー、アプリケーションのセキュリティ要件といったことです。「サイバーセキュリティ基本法」などの法令や業界固有の基準・規制を把握したうえで、要件を明文化しておきます。明文化することで、インシデントが発生した場合に取るべき行動がおのずと決まってきます。

 

・インシデント対応を自動化する

CWPPには、脅威やセキュリティポリシー違反が検知された場合、あらかじめ設定された手順に従って、脅威を隔離したり、ワークロードをシャットダウンしたりといった、インシデント対応の自動化機能があります。適切に設定することにより、機密情報の漏えいや不正アクセスなどのセキュリティリスクを低減できます。

 

・Webアプリケーション保護のためにWAFサービスも併用する

WAF(Web Application Firewall)サービスとは文字通り、サイバー攻撃から(Webサイトを含む)Webアプリケーションを防御するためのサービスです。冒頭で述べた通り、CWPPはクラウドワークロードの保護に特化しているため、Webアプリケーションの保護には限界があります。Webアプリケーションを保護するためには、CWPPとWAFサービスとの併用が効果的です。

 

WAFサービスなら「Cloudbric WAF+」がおすすめ

企業のWebセキュリティ対策に必須ともいえるWAFサービスですが、各社から数多くの製品がリリースされています。
その中でもペンタセキュリティが提供している「Cloudbric WAF+」は、脅威インテリジェンス分析機能により、スパイウェアやアドウェアのほか、スパムボット、Webクローラーなどの悪意のあるボットなどをブロックすることが可能です。「Cloudbric WAF+」にはWAFサービスだけでなく、DDoS攻撃対策サービス、SSL証明書サービス、脅威IPの遮断サービス、悪性ボット遮断サービスの計5つのサービスが含まれます。導入時および運用時のセキュリティエキスパートによるマネージドセキュリティサービスが付帯しており、セキュリティの専門家がいなくても導入・運用することが可能です。過去3カ月分のサマリーレポートを自動作成する機能なども搭載しています。

 

まとめ

CWPPは、クラウドワークロードの状況を監視し、異常を検知するとワークロードを保護するセキュリティサービスです。脆弱性の検知、マルウェアのスキャン、ランタイム保護などの機能でクラウドワークロードを脅威から守ります。ただし、Webアプリケーションのセキュリティも考えるのであれば、WAFサービスとの併用がおすすめです。「Cloudbric WAF+」を併用すれば、万全なクラウドワークロードの保護およびWebアプリケーションの保護環境を実現できます。

 

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SOC

SOCとは?仕事内容や設置・運用の課題をわかりやすく解説

現代のデジタル環境において、企業のセキュリティ対策としてSOC(Security Operation Center)は重要な役割を果たしています。本記事ではSOCの重要性やその背景、CSIRTやMDRとの違いを解説します。また、自社でSOCを導入する際に直面する課題と、SOCなしでのセキュリティ対策としてWAFサービスについても触れます。

 

SOC(Security Operation Center)とは

SOC(ソック)とは、24時間365日体制でネットワークやシステムを監視し、サイバー攻撃の検知や対応を行う専門組織・チームのことです。不正アクセスやサイバー攻撃、マルウェア感染などのセキュリティインシデントを予防し、それらが発生した場合には迅速かつ効果的に対処するための組織として機能します。

 

・CSIRTやMDRとの違いは?

CSIRT(Computer Security Incident Response Team:シーサート)は、セキュリティインシデントが発生した際に復旧活動やリスク評価、関係各所への連絡を行う組織です。SOCはインシデント発生前の予防を担当し、CSIRTは発生後の対処を担当します。

MDR(Managed Detection and Response:エムディーアール)は、SOCが行う監視や検知、CSIRTが行う対処などの役割を外部のサービスプロバイダーに委託できるサービスです。自社の専門的なリソースが不足している場合などに活用されています。

 

SOCが重視される背景

近年、IoTやDXの推進に伴い、データの生成と利用が急増しています。また、クラウドサービスやリモートワークが普及したことで、多様なデバイスや場所から企業の情報にアクセスするケースが増加しました。こうした中で、より高度化・巧妙化したサイバー攻撃が増えており、企業と従業員個人のセキュリティリスクは高まるばかりです。そのため企業はサイバー脅威に対する防御力を強化するとともに、セキュリティインシデントへ迅速に対応することが極めて重要な課題となっています。

このような背景から、インシデントを早期に検知し、迅速な対応を行うSOCが求められています。

 

SOCの主な仕事内容

インシデントの早期発見と迅速な対応を行うために、SOCは高度な専門性をもとに以下のような仕事に従事しています。

 

・ネットワーク・システム・デバイスの監視

ネットワークやアプリケーションなどを24時間365日体制で監視します。これには、ネットワークトラフィックのモニタリング、不正アクセスの検出、システムの異常な動作の監視などが含まれます。また、監視ツールやシステムログを活用することで、正常な動作から外れたアクティビティを検知し、潜在的なインシデントを特定して被害を事前に防ぎます。

 

・インシデントの検知とアラート発信

ネットワークやシステム上で異常なアクティビティを検知すると、ただちにSOCにアラートが発信されます。SOCはインシデントの発生時刻や種類、重要度、影響範囲、対処方法などの情報を調査するとともに、必要に応じて関係者への通知・連絡を行います。CSIRTなどほかのセキュリティチームとも連携し、被害を最小限に抑えるための適切な措置を講じるのも重要な仕事です。

 

・セキュリティ対応策の立案とアドバイス

インシデントが検出されると、SOCは詳細な分析を行い、攻撃の原因や影響を把握します。次に、分析結果をもとに対策を立案し、ソフトウェアの脆弱性の修正やセキュリティポリシーの強化などの措置を検討します。さらに、関係各所に対してセキュリティに関するアドバイスを提供し、将来への備えを支援します。

 

自社でSOCの設置・運用をする場合の課題

セキュリティ対策としてSOCを導入する場合、自社で構築するか外部に委託するかを選択することになります。ただし、自社で設置・運用する場合には、以下の事項に留意する必要があります。

 

・人材の確保が必要

SOCの運用には、セキュリティエンジニアやアナリストなどの専門的な人材が必要です。サイバー攻撃は国内・国外から昼夜関係なく実行されるため、24時間365日の体制で監視や対応を行う必要があり、二交代制や三交代制で監視するための交代要員も欠かせません。

しかし、総務省の「令和2年 情報通信白書」によれば、日本はアメリカやシンガポールと比較して、専門的なセキュリティ人材の充足状況にほとんど満足していないことがわかります。

参照元:総務省|令和2年 情報通信白書

セキュリティ人材が不足している理由としては、専門的な人材の教育・訓練に多大な時間やコストがかかることや、市場の競争激化、採用コストの上昇などが挙げられます。

 

・ログ分析の処理量が増大すると分析が難しくなる

大量のインターネットデータのやり取りに伴い、ログ分析の処理量も増大し、分析が困難になることがあります。この増大する処理量に対処するためには、いくつかの課題が生じます。まず、処理時間が増加し、リアルタイムな分析が困難になります。また、データの増加により可視性が低下し、異常の検出や対応に遅れが生じる可能性があります。さらに、誤検知や過検知のリスクが増え、アナリストたちの負担が増大します。

こうした課題に対処するためには適切なツールやリソースの確保が必要ですが、自社でSOCを構築する場合には多大なコストがかかります。

 

SOCなしでセキュリティを強化する方法

自社でSOCの構築が困難な場合、WAFサービスの導入を検討することもひとつの方法です。WAFはWebアプリケーションレベルでのセキュリティを強化するためのサービスです。クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションなど、従来のネットワークセキュリティ製品では防ぎきれないサイバー攻撃を防止できます。リアルタイムでトラフィックを監視し、不正なアクセスや攻撃パターンを検知します。

特にクラウド型WAFサービス「Cloudbric WAF+」は、直感的なインターフェースで誰でも使いやすく、専門的な人材が不在でも簡単に導入・運用できるため、おすすめです。

このサービスはSOCの機能も含んでおり、インシデントの詳細な分析や迅速な対応を行い、自動でレポートを作成します。さらに、シグネチャー基盤検知方式でインシデントを検知する従来のWAFとは異なり、ロジックベースの方式を採用して効果を高めています。

 

まとめ

SOCは24時間365日体制でネットワークやシステムを監視し、インシデントを予防・対処します。IoTやDXの進展、リモートワークの普及などに伴い、セキュリティリスクが増加し、SOCの重要性が高まっています。ただし、人材確保の難しさやログ分析処理量の増大などの課題があり、自社での構築は困難な場合もあります。そのようなときには、クラウド型WAFサービスの「Cloudbric WAF+」を利用することを推奨します。

 

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SIEM

SIEMとは?主な機能や導入のメリット・課題をわかりやすく解説

近年、ますます巧妙化しているサイバー攻撃や内部不正などのリスクに対処するためには、ログデータを自動で集積・管理・分析し、システム内の潜在的なセキュリティインシデントを早期発見できる仕組みが欠かせません。まさに、こうした要件を満たすセキュリティソリューションとして、注目されているものが「SIEM」です。

本記事では、企業のセキュリティ担当に向けて、SIEMの概要や機能、導入のメリットや課題をわかりやすく解説します。また、高度なセキュリティ機能を備えた、クラウド型WAFサービス「Cloudbric WAF+」も併せて紹介します。

 

SIEM(Security Information and Event Management)とは

SIEM(シーム)とは、「Security Information and Event Management(=セキュリティ情報・イベントの管理)」を略した言葉で、セキュリティインシデントを早期発見するソリューションです。

ネットワーク機器やセキュリティデバイス、サーバー、アプリケーションなどから出力される膨大なログデータを集積し、それらのデータを相関分析することで、脅威や異常な動きなどのインシデントを自動感知します。これにより、管理者は複数のソースから集積されたデータを効率的に管理し、インシデントへ迅速に対応できるようになります。

昨今は、クラウドの普及やサイバー攻撃の巧妙化などに伴い、従来の境界型防御によって、インシデントを完全に防ぐことは難しくなっている状況です。そのため、未然に防ぐだけではなく、早期発見・早期対応できる仕組みの構築が重要視されています。まさにSIEMは、こうした現代的なセキュリティニーズに対応した、新しいソリューションです。

 

SIEMの主な機能

SIEMの基本的な機能は、主に以下の3つです。

  • ログデータの集積・一元管理
  • ログデータの相関分析
  • セキュリティインシデントの自動感知

以下より、それぞれの機能の概要を解説します。

 

・ログデータの集積・一元管理

SIEMは、ネットワーク機器やセキュリティデバイス、サーバー、アプリケーションなど、複数のソースからログデータを自動で集積します。通常、これらのログは個々の機器に分散して、異なるフォーマットで保存されますが、SIEMの場合は一元管理が可能です。これにより、インシデントが感知された際にも、関連するすべてのログデータへ迅速にアクセスし、原因調査や早期対応がスムーズになります。

 

・ログデータの相関分析

集積したログデータの相関分析も、SIEMの主要な機能です。この分析を通じて、単独のログからは発見しにくいインシデントを感知しやすくなります。例えば、サーバー側に外部通信の記録があるのに対し、ファイアウォール側にはその記録がない場合、この不一致は何らかの異常を示しているおそれがあります。この相関分析にはAIの機械学習など、先進的な技術が活用されていることが多いです。

 

・セキュリティインシデントの自動感知

ログデータの相関分析を通じてインシデントを感知すると、自動的に管理者へアラートを通知します。この機能により、インシデントの発見と対応がスムーズになり、被害を最小限に抑えられます。

先進的なSIEM製品の中には、自動対応機能を持つものもあり、インシデントを感知した場合、指定されたプロトコルに従って、即座に対応措置を実行する仕組みです。

 

SIEMを導入するメリット

SIEMを導入することで、セキュリティ関連の業務を効率化し、インシデントへの対応を改善できます。

 

・セキュリティインシデントの早期発見につながる

SIEMは、複数のソースから出力されるログデータやイベントデータを、即時に集積および分析する仕組みです。これにより、標的型攻撃や内部不正などの、完全に防ぐことが難しいインシデントも早期発見できるようになるので、被害を最小限に抑えられます。

 

・分析にかかるコストを削減できる

セキュリティ関連のログデータは、複数の機器から絶え間なく出力されるため、これを人手でひとつずつ分析するのは、膨大な労力と時間を要します。しかし、SIEMを導入すれば、これらのログデータを自動で管理できるようになり、分析作業にかかる人的リソースの削減が可能です。

 

SIEM導入の課題

SIEMには大きな効果が見込まれる一方で、導入のハードルが高いとの課題もあります。例えば、大規模な環境や複雑なセキュリティ要件を持つ組織では、導入コストが大きくなりがちです。

また、組織内の多くの機器からログデータを集積するため、ネットワークトラフィックが増加し、ネットワーク全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があることも懸念されます。

 

・導入コストが高い

SIEMの導入は、高額な費用を要することが一般的です。ツールの機能や規模、サポート体制などによっても変わりますが、初期費用だけでも数百万円、そして運用費用として約数十万円が毎月かかります。

 

・セキュリティに詳しい人材が必要

SIEMの安定した運用には、セキュリティに詳しい人材が欠かせません。SIEMはインシデントを感知するとアラートを発しますが、設定次第では誤感知や関連性の低いアラートが過多に発生するおそれがあります。そのため、担当者にはシステムの初期設定やカスタマイズ、アップデートを適切に行うスキルや、アラートが正しいかどうかを判断するスキルが必要です。

 

「Cloudbric WAF+」なら、専門的な知識がなくてもセキュリティを強化できる

上記のように、SIEMの課題として、導入のハードルの高さが挙げられます。この課題は特に、人材に限りがある中小企業にとって、自力での解決が難しいものです。SIEMによる分析を社内の人材だけでは行えない企業には、「Cloudbric WAF+」の利用をおすすめします。

Cloudbric WAF+は、「Webアプリケーションファイアウォール(WAF)」を中心に、複雑なセキュリティ要件に対応する高度なセキュリティ機能をクラウドベースで提供します。SIEMと同様に、大量のログデータの集積・管理・分析が可能です。

また、専門家によるマネージドサービスも付帯しているため、専門人材が不足している企業でも、安心して利用できるうえ、セキュリティレベルの向上を目指せます。

 

まとめ

SIEMは、複数のソースからログデータを集積・分析し、インシデントを即時に自動感知するソリューションです。セキュリティ担当者の負担を抑えつつ、従来ならば見逃しがちだった、異常や脅威の早期発見を可能にします。他方で、その導入と運用には、コストと専門人材を要することがネックです。その点、「Cloudbric WAF+」はSIEMと類似した機能を備えつつ、専門家によるサポートも付帯しているため、安心して利用できます。これを機に導入を検討してみてください。

 

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3省2ガイドラインとは?制定の背景や医療機関への影響を解説

近年、医療現場でのデジタル化が急速に進展する中で、その安全性とセキュリティの確保がますます重要視されています。医療機関や医療データを扱う事業者にとって、行政が策定した3省2ガイドラインは重要な規範です。この記事では、3省2ガイドラインの概要、制定の背景、医療機関への影響について解説します。さらに、セキュリティ対策の一環としてWAFサービスについても詳述します。

 

3省2ガイドラインとは

医療情報を扱う事業者や医療機関が準拠すべき2つのセキュリティガイドラインの総称です。具体的には、厚生労働省が策定した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」と、経済産業省・総務省が共同で策定した「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」の2つが該当します。つまり、3つの省庁(厚生労働省・経済産業省・総務省)が制定した2つのガイドラインを指します。

以前は「3省4ガイドライン」として知られていましたが、2018年に「3省3ガイドライン」に改訂され、2020年にはよりわかりやすくするために見直しと統合が行われた結果、「3省2ガイドライン」となりました。

これらのガイドラインは、医療情報の電子化が進む中で、セキュリティ対策を含めた安全な管理と個人情報保護に配慮した運用を確保することを目的として制定されたものです。

 

・厚生労働省のガイドライン

「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」は、医療機関などにおいて医療情報を扱う責任者を対象に策定されています。2023年5月には第6.0版のガイドラインが公表されました。このガイドラインは、医療機関がシステムを適切に運用するために、患者の視点に立った基本的な枠組みと指針を提供しています。具体的には、情報セキュリティの基本的な考え方や責任者の設置、情報漏えいの防止策、システム設計・運用に必要な規程類と文書体系、災害・サイバー攻撃等の非常時の対応について記載されています。

このガイドラインに違反しても、それ自体に罰則はありません。ただし、ガイドラインが個人情報保護法、電子文書法、医療法、医師法などを根拠に策定されていることから、違反行為が法令にも抵触する可能性は極めて高くなります。つまり、これらのガイドラインは法令遵守の基準としても機能し、遵守することが実質的に法的な義務となる可能性があります。

 

・経済産業省・総務省のガイドライン

「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」は、事業者を対象に策定されています。2023年7月に、厚生労働省のガイドラインと足並みをそろえる形で第1.1版のガイドラインが公表されました。このガイドラインでは、事業者が医療情報における安全管理のために準拠すべき義務・責任について詳細に記載されています。さらに、医療機関と事業者の合意形成やその手法、提供すべき情報項目、および互いの役割分担についても具体的に述べられています。また、安全管理のためのリスクマネジメントに関するガイドラインも含まれています。

 

3省2ガイドラインが制定された背景

医療現場のデジタル化の進展とそれに伴う弊害が関連しています。

 

・医療分野のデジタル化の進展

正確な治療行為のため、医療機関では電子カルテの導入や予約・会計などの業務もデジタル化されています。医療情報には患者の病歴をはじめとする機密性の高い個人情報が含まれており、万が一情報が漏えいすれば患者の生命にも関わる可能性があります。そのため、医療情報の安全な管理および運用を確保するためにガイドラインが制定されました。

 

・医療機関へのサイバー脅威の増加

近年、あらゆる企業へのサイバー攻撃が頻繁に行われています。医療機関も例外ではなく、特に重要な個人情報を扱っていることもあり、年々高まるサイバー脅威は無視できません。このような状況下で、患者の安全とプライバシーを守るために、ガイドラインが制定されました。

 

3省2ガイドラインが医療機関に求めること

ガイドラインに記載されている主な要点を以下に紹介します。

 

・セキュリティ対策を強化する

医療情報システムの安全管理に関するガイドラインでは、特に医療機関の情報セキュリティ対策の強化に焦点を当てています。これは、医療情報の安全管理が極めて重要であるためです。具体的には、マルウェア感染を防ぐためのゼロトラスト思考の提案や、サーバー攻撃への対策などがまとめられています。

また、厚生労働省が公開している「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」では、医療機関や事業者が医療情報システムの構築や運用の際に優先的に取り組むべき事項がリストアップされています。このチェックリストを有効に活用することで、現状の把握と将来への備えに役立ちます。

参考:医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト|厚生労働省

 

・クラウドサービスの利用を見直す

電子カルテを含む医療情報データの管理を一部またはすべてをクラウドサービスに委託する医療機関が増加しています。このような背景を踏まえて、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5.1版から、クラウドサービスの事業者の選定に関する記述がなされました。これは、事業者の情報管理が不十分であったり、財務状況が不安定であったりする可能性に備えるほか、国内法の適用外であるリスクを防ぐためです。そこで、委託先が情報処理の国際規格であるISMS認証(ISO27001)や日本国内のPマーク(プライバシーマーク)を取得しているかどうかを確認することが求められています。

 

・オンライン資格確認の環境を整える

2023年4月から、すべての保険医療機関や薬局において、マイナンバーカードなどのオンライン資格確認の導入が原則として義務化されました。この取り組みに対応して、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版では、オンライン資格確認を適切に運営するための導入方法や運用方法、セキュリティ対策について詳細に記載されています。

 

3省2ガイドラインの準拠に役立つ「WAFサービス」

3省2ガイドラインの記載からも見て取れるように、医療機関は患者の個人情報や医療データが不正にアクセスされるリスクを減らすために、セキュリティ対策する必要があります。この際に役立つのが「WAFサービス」です。WAFサービスは、クロスサイトスクリプティング(XSS)、SQLインジェクション、セッションハイジャックなどの攻撃を検出し、防御してくれます。数あるWAFサービスの中でも特におすすめなのは、「Cloudbric WAF+(クラウドブリック・ワフプラス)」です。高度な攻撃検知機能と防御を備えたCloudbric WAF+は、簡単に運用・設定できるよう設計されているため、専門知識を持ったスタッフがいなくても利用できます。

 

まとめ

3省2ガイドラインは医療機関と医療情報を扱う事業者向けの重要な指針です。医療データの安全管理や個人情報保護が中心であり、セキュリティ対策の強化やクラウドサービスの選定には特に注意が必要です。WAFサービスはセキュリティ対策において有効であり、特にCloudbric WAF+利用の検討をおすすめします。

 

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WebAuthnは安全?メリット・デメリットを徹底解説

安全なWebサービスを設計・運用するためには、自社に適したセキュリティ対策を選択して導入することが重要です。本記事では、パスワード認証に代わるセキュリティ対策として注目されているWebAuthnの仕組みと特徴を解説します。Webサービスのセキュリティ強化に取り組むには、WebAuthnの安全性と課題についてもよく理解したうえで最適な対策を施しましょう。

 

WebAuthnとはFIDO2の一部

WebAuthnとは、FIDO2の一部として開発された、パスワードレス認証をWebサービスに実装するための技術です。WebAuthnの実態はJavaScript APIにあたり、Webサイトやアプリに搭載することでブラウザ上での安全な認証が実現します。

WebAuthnによる認証は、スマートフォンやPCのような外部デバイスを通じて行うことが特徴です。WebAuthnを実装したWebサイトやアプリでは指紋などの生体情報による認証も行えるため、パスワードを入力する作業の負担を軽減できます。

 

・WebAuthnの仕組み

WebAuthnではユーザーが作成する公開鍵と秘密鍵を利用してデータを暗号化する「公開鍵暗号方式」を採用し、安全な認証を実現します。WebAuthnが実装されたWebサイトで認証を行うためには、事前に認証器(指紋や顔などの生体認証で使用するデバイス)の登録を行う必要があります。

認証器への登録は、指紋や顔などを利用してユーザーの本人確認が終わると、公開鍵・秘密鍵・証明書が作成されます。作成された公開鍵・秘密鍵は、ローカル環境に保存される仕組みです。公開鍵はWebサイトやアプリ側のサーバーにも送信され、データベースへ保存されます。

認証時にはローカル環境に保存された秘密鍵によって署名を行い、Webサービス側のサーバーへと送信する仕組みです。サーバーはデータベースに保存した公開鍵を使用して署名を検証し、何も問題がなければ認証が完了します。

 

WebAuthnのメリット

WebAuthnは、認証を行うユーザーとWebサイトやアプリの運営企業の双方にメリットが多くある技術です。以下では、WebAuthnの代表的なメリット3点を紹介します。

 

・セキュリティの強化につながる

パスワード認証ではユーザー名やパスワードが第三者に知られた場合、認証を突破されるリスクがありました。WebAuthnを実装したWebサービスでは、ユーザー名・パスワードなどの知識要素を認証に使用しません。そのため、情報流出リスクそのものを回避でき、セキュリティを強化できます。

さらに、WebAuthnを実装したWebサービスでは認証情報のやり取りをブラウザ上で行う必要がありません。認証情報そのものはデバイス内に保存される仕組みであるため、情報漏洩の発生リスクも軽減できます。

 

・ユーザビリティを向上できる

WebAuthnを実装したWebサービスでは、生体認証に対応できます。このようなWebサービスにはユーザー名やパスワードを入力せずにログインできます。
パスワード認証においてセキュリティを強化するためには、複雑なパスワードを作成したり更新したり、さらにはそれらを記録・保管したりする手間がかかりました。WebAuthnでは複数の複雑なパスワードを覚える必要がなく、なおかつ安心してWebサービスを利用できます。

 

・管理の負担を軽減できる

生体認証などの認知度が高い認証方法に対応していれば、IT分野の専門知識を持たないユーザーも無理なくWebサービスを利用できます。ビジネス利用が前提のWebサービスでは従業員のIT教育にかける時間を削減でき、管理者の負担軽減を図ることが可能です。

さらに、WebAuthnでは、事前に登録した認証器の情報を他のWebサービスの認証においても使用できます。ユーザーはWebサービスごとにパスワードを作成・管理する作業から解放され、より快適にWebサイトやアプリが利用できます。

 

WebAuthnのデメリット

WebAuthnにはさまざまなメリットがある一方、いくつかのデメリットや課題もあります。WebAuthnをWebサイトに実装する際には、以下のデメリットを理解しておきましょう。

 

・対応サービスが限定されている

WebAuthnは、現在進行形で普及している技術です。リモートワークの普及やクラウドサービス利用の増加に伴ってWebAuthnへの需要は高まり、将来的には、より一層の普及が予想されるとは言え、現時点の日本における対応可能範囲は限定的です。

 

・デバイスの紛失時や破損時の対応が難しい

WebAuthnではデバイスのローカル環境に認証情報を保存するため、スマホやPCを紛失・破損した場合には認証を行えなくなるリスクがあります。デバイスを紛失した場合には、第三者に認証情報を悪用される恐れも否めません。

デバイスの紛失・破損に備えるためには、複数のデバイスを認証器として登録する方法が一案です。ひとつのデバイスを紛失・破損した場合には他のデバイスでログインし、保存した認証情報を削除すれば、第三者に悪用されるリスクを回避できます。
ただし、複数のデバイスを事前に登録したとしても、紛失・破損時の復旧には一定の時間と労力が必要です。復旧作業中はWebサービスにログインできず、不便を感じるリスクがあります。

 

まとめ

WebAuthnは、Webサービスのセキュリティ強化に役立つ注目度の高い技術です。しかし、WebAuthnは、現時点ですべてのWebサービスには対応していません。より手軽な手段でセキュリティを強化するためには、WAFを利用する方法があります。
WAFとは、アプリケーションの脆弱性を突く攻撃を検出してWebサービスを保護するセキュリティ対策です。クラウド型サービスであれば、ハードウェアの購入や専門人材の確保を行わなくても導入できます。

「Cloudbric WAF+」は導入・運用が容易なクラウド型WAFサービスです。Cloudbric WAF+ではWAF以外にセキュリティ対策上の重要度が高い四つのサービス(DDoS攻撃対策・脅威IP遮断、SSL証明書サービス、悪性ボット遮断サービス)も提供しています。Cloudbric WAF+の導入効果は、自動作成されるレポートで把握できます。Cloudbric WAF+の詳細は、お気軽にお問い合わせください。

 

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IPAの情報セキュリティ10大脅威2024 !全項目のポイントを紹介

マルウェアやサイバー攻撃をはじめとするセキュリティリスクは日々増加しています。そのため、企業が自社の情報資産を適切に保護するには、最新のセキュリティトレンドをキャッチし続けることが重要です。そこで本記事では、IPAが2024年に発表した「情報セキュリティ10大脅威」に基づいて、企業が直面するセキュリティリスクの概況とその対策を解説します。

 

情報セキュリティ10大脅威とは

「情報セキュリティ10大脅威」とは、情報処理推進機構(IPA)が公開している最新のサイバーセキュリティリスクの概況に関する資料です。個人編と組織編に分けて、前年に社会的影響の大きかったサイバーリスクをランキング形式で毎年発表しています。この資料を参照することで、最新のサイバーリスクやセキュリティトレンドについての理解を深められます。

 

IPAが情報セキュリティ10大脅威2024を発表

2024年1月24日、IPAは「情報セキュリティ10大脅威2024」をWebページにて公開しました。2月下旬以降、解説書や資料が順次公開されています。

 

・「情報セキュリティ10大脅威2023年」との違い

2024年版で見られた大きな変化は、個人編でセキュリティリスクをランキング形式で掲載するのをやめたことです。これは、ランキング形式で示すことによって、読み手側が上位の脅威だけに注目し、下位の脅威を軽視することを防ぐためとされています。

組織編の方はランキング形式が継続されていますが、下位の順位に大きな変動がありました。
まず、2023年版で5位だった「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」が9位までランクダウンしています。この脅威は2021年版で3位に初選出されたのが最高位で、その後は企業のテレワーク体制が整備されていくと共に4位→5位→9位と年々順位が下降しています。他方で、「不注意による情報漏えい等の被害」が前年の9位から6位へと急浮上しました。

参照元:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2024

 

情報セキュリティ10大脅威全項目のポイント

続いては、2024年版の10大脅威の内容がどのようなものか、その対策も添えつつ簡単に紹介していきます。たとえランキング上は下位でも、自社と関係しそうな脅威に対してはしっかり対策することが重要です。

 

・1位:ランサムウェアによる被害

ランサムウェアとはマルウェアの一種で、感染したシステムやデータを暗号化によって使用不能にし、その復旧と引き換えに身代金を要求するサイバー攻撃です。感染状態によっては、通常の業務遂行すら不可能になるので、企業に大きな悪影響が出ます。

対策としては、定期的なセキュリティパッチの適用によるシステムの脆弱性対策、信頼できるウイルス対策ソフトの導入と更新、重要なデータの定期的なバックアップなどが有効です。

 

・2位:サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃

これは通称「サプライチェーン攻撃」と呼ばれる脅威です。この攻撃は、セキュリティが比較的弱い取引先や関連会社を足掛かりにして、大企業など本来のターゲットへの侵入を試みる手法を意味します。

これに備えるには、セキュリティソフトの導入・更新のほか、従業員が不審なメールやリンクを警戒するようにセキュリティ教育を施すことが重要です。また、取引先などのセキュリティ評価も行い、必要に応じて改善を促したり、支援したりすることも求められます。

 

・3位:内部不正による情報漏えい等の被害

この脅威は、従業員を筆頭とした組織関係者による機密情報の持ち出しや、意図的な規則違反に起因した情報漏えいなどが該当します。

このような内部不正を防止するには、第一にセキュリティ教育を通して社内で情報セキュリティポリシーの遵守を徹底することが重要です。システム面では、各従業員のアクセス権を必要最小限に留めたり、操作ログの監視・分析を実施したりすることが役立ちます。

 

・4位:標的型攻撃による機密情報の窃取

標的型攻撃とは、特定のターゲットを狙って巧妙な手法を使って仕掛けられるサイバー攻撃です。主に、取引先や知人などを騙ったなりすましメールを利用して機密情報を盗みます。

この対策としては、第一に、不審なメールを防ぐフィルタリングサービスやウイルス対策ソフトの導入が挙げられます。また、標的型攻撃メールやその他の不審なメールを見分け、適切に対処できるように従業員を教育することも重要です。

 

・5位:修正プログラムの公開前を狙う攻撃(ゼロデイ攻撃)

ゼロデイ攻撃とは、システムの脆弱性、もしくはその修正プログラムが公開される前に、その隙を狙って行われるサイバー攻撃です。特に脆弱性の存在すら知らない状態でこの攻撃を予防するのは難しく、被害に遭った場合は大きな影響が出る恐れがあります。

この攻撃を防ぐには、まず脆弱性情報をこまめにチェックし、ソフトウェアやOS、セキュリティソフトなどを常に最新の状態に保つのが基本です。その上で、EDRやWAFなど、複数のセキュリティソリューションを組み合わせて防御力を高めるのが効果的です。

 

・6位:不注意による情報漏えい等の被害

これは内部不正とは異なり、従業員が意図せずに情報漏えいをしてしまった事態を指します。デバイスの紛失や置き忘れ、不注意な会話やSNS投稿などが具体例です。

この種の問題に対しては、第一に従業員の情報リテラシーを高める教育が必要になります。また、情報や機器の持ち出し・持ち込みなどを制限する規則を設けることも有効です。

 

・7位:脆弱性対策情報の公開に伴う悪用増加

ベンダーが公開する脆弱性対策情報を悪用し、セキュリティバッチの適用などの対策がされていないシステムやユーザーを攻撃する手法です。

このリスクを防ぐには、システムの脆弱性情報を定期的にチェックし、適正な状態を常に保てる管理体制を整備することが求められます。

 

・8位:ビジネスメール詐欺による金銭被害

取引先や自社の経営者などになりすましてビジネスメールを送信し、金銭を騙し取るサイバー攻撃です。攻撃者は送信元とターゲットとなる受信先の通信を事前に傍受しており、そこで得られた情報を利用して巧妙に本人になりすましていることが多いです。

この対策としては、従業員のセキュリティ教育を強化し、不審なメールやリンクに対する警戒心を高めることが重要です。また、送信元のメールアドレスやメールの内容を慎重に確認し、不審な点があれば先方に直接確認するように指示を徹底しましょう。

 

・9位:テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃

テレワーク環境におけるVPNの脆弱性や設定ミスなどを悪用した攻撃です。これによって、テレワーク端末のウイルス感染や情報漏えいなどの被害が生じます。

この脅威に対しても、従業員のセキュリティ意識を高める教育が必要です。また、VPNやテレワーク端末などの脆弱性チェックを定期的に行うことも欠かせません。

 

・10位:犯罪のビジネス化(アンダーグラウンドサービス)

昨今、サイバー攻撃も組織的なビジネスに化しており、アンダーグラウンド市場では、個人情報や攻撃ツールの売買などが横行するようになりました。これによって、高度なスキルがない人間でもサイバー攻撃が行いやすくなっています。

この脅威は、具体的な攻撃手法というより、近年のアンダーグラウンド市場の注目すべき動向を指しているため、特定の予防策というべきものはありません。情報リテラシーの向上や複数のセキュリティソリューションの併用、適切なアクセス管理といった基本的な対策を講じるのが重要です。

 

まとめ

「情報セキュリティ10大脅威 」で紹介されている多様なリスクに対応するには、従業員のセキュリティ意識や組織体制の強化と共に、WAFのような最新のセキュリティソリューションの導入を進めることが重要です。

WAFとは、Webアプリケーションを悪意ある攻撃から保護するセキュリティ対策であり、ファイアウォールやIPS(不正侵入防御)では防げないような攻撃も防御できます。ペンタセキュリティ株式会社は、このWAFをクラウドサービス「Cloudbric WAF+」として提供しています。

「Cloudbric WAF+」は、WAFやDDoS攻撃対策、脅威IP遮断など、Webセキュリティに必須の5機能を統合したセキュリティプラットフォームです。Webサイトに対していつ、どのような攻撃があり、遮断したのかといった記録を簡単な操作でチェックできます。セキュリティ強化のために、ぜひ導入をご検討ください。

 

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CSIRTとは?主な役割や設置の際の注意点を解説


ビジネスに欠かせないインターネット、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器ですが、最近は不正アクセス・個人情報の流出などのトラブルが増えています。この記事ではこうしたセキュリティトラブルに対応する専門チーム・CSIRTとは何か、その役割やメリット、SOCやPSIRTとの違い、導入する際の注意点などを解説します。専門知識がない・CSIRTを設置したくても人材を確保できない方におすすめの対策も紹介します。

 

CSIRTとは

CSIRT(シーサート:Computer Security Incident Response Team)とは、セキュリティの監視、セキュリティインシデントの原因調査・分析・事後対応を行うチームのことです。
デジタル化が進んだ影響を受け、サイバー攻撃が増加している現代において、攻撃を受けた場合に迅速に対応するCSIRTに注目が集まっています。

実際、国内のCSIRT構築運用支援サービス市場の売上金額は年々上昇しています。ITRの調査によると、2016年の売上金額は61億円でしたが、2022年は113億円に上昇しています。

参照元:ITR「CSIRT構築運用支援サービス市場規模推移および予測

 

・CSIRTとSOCの違い

CSIRTとよく似たチームにSOC(ソック:Security Operation Center)がありますが、CSIRTとSOCは基本的な役割と機能が異なります。

CSIRTの主な役割は、セキュリティインシデント発生時に被害拡大の防止・根本解決などを実施することです。
一方、SOCは組織内のセキュリティを監視し、サイバー攻撃のチェックや分析を行います。SOCがインシデントを検知した際はCSIRTに報告し、対応を委ねます。

 

・CSIRTとPSIRTの違い

CSIRTと同じように注目を集めているPSIRTとの違いも把握しておきましょう。
PSIRT(ピーサート:Product Security Incident Response Team)もインシデントが発生した際に対応するチームです。ただし、CSIRTとは対応する範囲が異なります。

PSIRTは自社が提供した製品やサービスに関連するセキュリティインシデントに対応します。PSIRTは外部に提供した製品・サービスを保護する目的で設置されるため、社内ネットワークのトラブルはCSIRTが対応します。

 

CSIRTの主な役割

CSIRTの役割は、インシデントが起きてしまった時の事後対応、発生を抑える事前対応、そしてセキュリティマネジメントの3つに集約されます。それぞれについて詳しく解説します。

 

・インシデント事後対応

CSIRTの主な役割は、セキュリティインシデントの事後対応です。セキュリティインシデントが発生すると、事前に検討した処理を行い、被害を最小限にとどめてシステムを復旧します。まずインシデントの検知から始まり、トリアージ(優先順位付け)、インシデントレスポンス(対応)、報告・情報公開の4段階で解決を図ります。

また、発生したインシデントの分析・対応・復旧だけでなく、セキュリティ専門家や他部署に協力を仰ぎ、他のメンバーとも情報交換を行いながら再発防止策の検討やセキュリティ強化対策を実施します。

 

・インシデント事前対応

インシデント発生に備える事前対応も行います。防止対策の検討と導入、ナレッジ共有や社員教育、トレーニングの実施、さらには管理体制の見直しなどを行いながら予防します。

流行しているウイルスや脆弱性情報などの収集・分析と共有、セキュリティ監査・セキュリティツールの管理や開発も役割のひとつです。社内外の組織とセキュリティ情報共有や連携も行います。他社の事例なども含めて最新の情報を収集・分析し、自社のセキュリティ対策に活用する場合もあります。このようにセキュリティ対策の質自体を高める活動も重要な役割です。

 

・セキュリティマネジメント

情報システム部門だけでなく、組織全体がセキュリティに対して正しい知識を持ち、迅速に対応できるように教育することもCSIRTの役割です。インシデントは必ず起きるもの、という認識を社員全員が持ち、組織全体のセキュリティ意識を高めることがインシデントの発生を抑えることに役立ちます。それだけでなく、インシデントの早期発見にもつながり、被害を最小限に食い止めることも可能です。

 

企業にCSIRTを設置する際の注意点

CSIRTを導入するにあたって特に気をつけたいのは、経営陣の理解を十分に得ることと、外部連携の重要性を認識し、積極的にコミュニケーションを取ることです。

 

・経営層の理解を得る

CSIRTの設置と運用は、経営課題として企業全体で取り組む必要があることを経営陣・決済担当者に理解してもらうことが重要です。そのためには、CSIRTを導入する必要性やメリットを伝え、理解と協力を得る必要があります。

そのためには、セキュリティインシデントが自社に及ぼす被害・損失の例を伝え、予防・被害を最小限に抑えるためにCSIRTの設置が有効であることや、起こった時に最善策が取れるように準備する重要性やメリットを伝えることです。

 

・外部とも連携して設置する

インシデントが起こった際、被害を最小限に抑えるためにも関連組織や他のCSIRT、SOCといった外部との連携を構築しておくことが重要です。特にSOCとはしっかりコミュニケーションを取っておきましょう。SOCとの連携不足はインシデント発生時の対応が遅れるなど、被害が拡大する恐れがあります。

また、常に迅速・的確な対応ができるように、監査部門、コンプライアンス部門、広報部門などと連携して情報共有・協力体制を構築したり、外部から専門家を招いて社内教育を実施したりするのも効果的です。

 

まとめ

CSIRTとはセキュリティインシデントに対応する役割を担うチームです。CSIRTの設置には人的リソースの確保が不可欠です。セキュリティインシデントが発生した際に迅速に対応するうえで欠かせないものの、人手不足などの理由から人材確保が難しい場合もあります。そのような場合は、CSIRTの人的負担を軽減できるWAFサービスも同時に導入を検討しましょう。

クラウド型WAFサービス「Cloudbric WAF+」は、社内にセキュリティ専門家がいなくても手軽に運用・導入できるWebセキュリティ対策です。システムの規模・環境条件、セキュリティ要件によって利用プランを選べるので、自社に最適な対策を構築できます。セキュリティインシデントの脅威を防ぎ、安全で働きやすいシステム環境を目指しましょう。

 

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